カイフクーンの上位版
「そういえば、ここハイポーションって置いてないの?」
「……!!」
「な、なによ? ……そんなにびっくりすること?」
「いや、そのことでちょうど最近悩んでいたんでな」
「……? ハイポーションがどうかしたの?」
「うむ。ハイポーションはポーションの上位版だが、近ごろはどこの店にも置いてあるな?」
「そうね。アイテムを売っているお店なら大抵は取り扱ってるわね」
「うちの主力商品はカイフクーンだが、そのせいもあってか最近特に売り上げが悪くてな……ハイポーションに対抗するためにも、カイフクーンの上位版を店に並べたいと考えている」
「それは助かるわね……というか、もういっそポーションシリーズで統一してくれたらもっと助かるんだけど」
「いや、そこは譲れない」
「そ、そう……相変わらず強情ね……」
「そういった理由で悩んでいたところに、お前がさっきの質問をしたから驚いてしまったというわけだ」
「悩んでいたってことは、作れそうにないってこと? でもカイフクーンって、どう考えてもポーションの名前を変えて売ってるだけよね? それなら上位版だって簡単に……」
「……それに関しては企業秘密だ」
「……分かったわよ。この件に関してはもう突っ込まないわ。それで、肝心の上位版は出来そうなの?」
「実はもう出来てるんだが……商品化するにあたってひとつ懸念事項があるんだ」
「なによ?」
「ハイカイフクーンでは、ちょっと語呂が悪いかもしれないな、と……」
「いつものダジャレアイテムのほうがよっぽど言いづらいわよ!!」




