万能薬
「お前は万能薬についてどう思う?」
「全てのステータス異常を治してくれる、あのアイテムのこと?」
「そうだ。ちょっと万能薬に関するアンケートをとりたい。思っていることを何でもいいから教えてほしい」
「そうね……ありがたいアイテムだけど、やっぱり値段が高すぎるのが問題よね……それに厄介なステータス異常はそれ用の回復アイテムを別個に買うから、無理して万能薬を買いたいとまでは思わないかな……高いし」
「二回も言うとは、よっぽど値段が高いのが気に入らないようだな?」
「仕方ないでしょ!? 冒険者なんてほとんどがカツカツなのよ!?」
「ふむ。つまり安ければ、万能薬は買う候補に入るということか」
「それはそうよ。便利なアイテムなのは確かなんだから」
「なるほど。それは良いことを聞いた。やはり俺の考えに間違いは無かったようだ」
「どういうことよ? ……あ、ひょっとして?」
「うむ。お前のような金欠冒険者のために、万能薬を改良してみた。ほら、これだ」
「金欠は余計よ! でもすっごく助かるわ! どんな風に改良したの?」
「万能薬ほどの効き目は無いが、全てのステータス異常をほんの少しだけ治してくれるぞ。その名も半端薬だ」
「肝心の効果が駄目になってるじゃない! それのどこが改良なのよ!?」
「主にお値段」
「高くても万能薬のほうが良いに決まってるわよ!」




