ブレスのケアその2
「ブレスのケアをするという異国のアイテムを覚えているか? あれに着想を得た新作が完成したんで見て欲しいんだが」
「……思い出したら腹が立ってきたんだけど?」
「待て待て拳を引っ込めろ。今回のアイテムは、そんな嫌な思い出が吹き飛ぶくらい爽快な気分になれること請け合いだ」
「……ふう、分かったわ。最後まで話を聞いてあげるわよ」
「異国から取り寄せたあのアイテムの効果は、自分の口臭を緩和させるというものだった。つまり吐息を変質させているとも言える」
「ふんふん、それで?」
「俺はその方向性に着目し、飲むだけで吐息を完全に別のものに変える薬の制作に成功した。ケアの新たな形が誕生したと言っても過言ではないだろう」
「やるじゃない。それでどれくらい変わるの?」
「口からドラゴンブレスのような火炎の息が吐けるようになる」
「ケアはどこに行ったのよ!?」
「お前の息が臭いなどと言う無礼な奴がいたら、今からケアするわねと笑顔でこれを飲み、灼熱の炎でそいつを黙らせてやるといい。……あっ、も、もちろん俺はお前に対してそんなこと思ってないぞ!?」
「……本当にあなたに向かって使ってやろうかと思っちゃったわよ……」




