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ミミックその4
「こんにちは」
「いらっしゃい」
「あら? それって建物の図面?」
「うむ。その通りだ」
「なんだかずいぶんと大きそうな建物だけど……ひょっとして、ここよりも広い二号店を建てるつもりとか?」
「それも悪くないアイディアだが……これはまったく別のものだ。完成したらきっと世間が驚くことだろう」
「また何か変なことを企んでるのね……」
「変なこととは人聞きの悪い……と言いたいところだが、今回ばかりはお前の予感が正しいかもしれんな。なにしろこれは、俺が作るミミックの最高傑作となるであろうものだからな」
「ミミックぅ!? 一体どういうことよ?」
「この建物自体がミミックでな。たどり着いた冒険者に鎧を脱げとか体に塩や胡椒を振りかけろとか言い、最後には食べてしまうというシロモノなんだ」
「……どこかで聞いた話みたいなミミックね……」




