ウィッチハット
「こんにちは」
「いらっしゃい」
「ここウィッチハットは置いてある? 友達の魔女が探してるんだけど」
「それはラッキーだったな。ちょうど今さっき、この店独自の素晴らしいものが完成したところだ」
「……普通のウィッチハットのほうが安心できたんだけど……本当に紹介して良いものなんでしょうね?」
「もちろんだ。きっとその魔女も気に入るはずだと断言できる」
「わかったわ。じゃあ見せてちょうだい」
「ちょっと待っていろ……ほら、これだ」
「あら、正面に綺麗な宝石がついていておしゃれね。たしかにこれなら彼女にもオススメできそうだわ」
「それは良かった。だが素晴らしいと言ったのは見栄えのことだけじゃないぞ」
「何か特殊な力でもあるの?」
「うむ。この宝石は目の役目を果たすことも可能でな。どこか離れた場所に置いていても、帽子を通してものを見ることが出来るんだ」
「それウィッチハットじゃなくてウォッチハットじゃないの!!」
「それでどうする? その友人に伝えてくれるなら、取り置きしておいてやるぞ」
「……たしかに便利そうね。彼女に会った時に買いたいか聞いてみるから、それまで確保しておいてもらえる?」




