グラディウス
「こんにちは」
「いらっしゃい」
「あら、今日は剣のセールでもやってるの?」
「うむ。まあそんなところだ。じっくりと見ていってくれ」
「そうするわ。一番左端のはグラディウスよね」
「その通りだ。買っていくか?」
「何か特殊な力があったりするの?」
「いいや、これは普通のグラディウスだ。だが切れ味は保証しよう」
「その隣にあるのはファルシオン?」
「これも業物でな。買うならサービスしておくぞ?」
「……以前ファルシオンを買いに来た時は、全く別のものが出てきた覚えがあるんだけど?」
「過ぎたことは忘れてくれ。今日こうして巡り会えたことに感謝しろ」
「分かったわよ……じゃあさらにその隣の赤い剣は?」
「これは焔剣サラマンダー。名前で分かると思うが、火の力を宿しているぞ」
「あなたのお店にしては珍しく正統派っぽい剣ね」
「ありがとう。自分でもそう思う」
「一番右端のは、二本でセットの剣なのかしら?」
「うむ。巨大な毒蜂の素材から作った双子の短剣だ」
「へえ、ちょっと興味あるけど……私には使いこなすのが難しそうだわ」
「……」
「……? 何か言いたそうね?」
「今日のラインナップを見て、何かに気づかないか?」
「え? ……うーん……。ごめん、何も分からないけど……」
「……お前には失望した」
「いきなり何よ!?」




