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毒を治すドクナオルン

「こんにちは。また来たわよ」


「いらっしゃい。もうすっかり常連だな」


「……このお店に来るのはこれでまだ二度目のはずなんだけど?」


「うちの店にやって来るほとんどの客は一度来たら二度と来ないからな。二回来るだけですでにお得意さまだ」


「それでやっていけてるの?」


「問題ない。他に雇っている従業員もいないからな」


「そう……ところで今日は毒消し草を買いにきたんだけど」


「毒消し草はないんだ」


「そう……残念ね」


「ドクナオルンならある」


「何よそれ!?」


「その名の通り、飲むとたちまち毒が治る薬だ」


「……それって毒消し草よね?」


「……毒消し草はないんだ」


「じゃあまた来るわ」


「待て待て、今回はちゃんと別物なんだ。これを見てほしい」


「あら、液体がビンに入ってる。今回はたしかに見た目が違うわね。でも値段までずいぶんと違うみたいだけど?」


「ああ、毒消し草からわざわざ成分を抽出して作ったからな」


「じゃあ毒消し草と一緒じゃないの!!」

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