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オーガニック
「最近オーガニックが売りの店が流行ってるようでな。俺もいくつか覗いてみたんだが、新たな気付きを得て世界が広がった気分だ。俺としてもあの考え方には賛同できるものがある」
「オーガニックねえ……あなたからそんな言葉が出てくるとは思いもしなかったわ」
「この店でも積極的に取り扱うようにしたい。オーガニックの素晴らしさを皆に知ってもらいたい」
「な、なんか目がギラギラしてて怖いんだけど……それでいったいどんなものを扱うつもりなの?」
「他の店との差別化のためにも、その辺ではお目にかかれないものを並べるつもりだ。例えばオーガニックマンドレイク、オーガニックジャック・オー・ランタン、オーガニックヘンルーダ、オーガニック毒消し草から抽出したオーガニックドクナオルン……」
「節操がないわね……なんでもオーガニックにすればいいってものじゃないのよ?」
「……オーガニックとつければ高値で売っても構わんのだろう?」
「……本音が出たわね……」




