未来を映す手鏡
「お前は自分の未来を見たいと願ったことはないか?」
「いきなり変なこと聞くわね……そりゃちょっとはあるわよ」
「そんなお前にぴったりのアイテムがあると言ったら……どうする?」
「……!? ま、まさか……?」
「うむ。未来を映す手鏡といってな。俺も鏡面を覗き込んでみたんだが……おっと、これ以上は言えないな」
「す、すごく気になるわ! ……そのアイテム、私にも見せてもらえる?」
「いいだろう。取ってくるからちょっと待っていろ」
「まさかこんな機会が訪れるなんてね……いったいどんな未来が見えるのかしら……」
「……待たせたな。これが未来を映す手鏡だ」
「あ、ありがとう……なんだかすごくドキドキしてきたわ……それでどうやって使うの? こうしてる感じ、普通の手鏡としか思えないんだけど……」
「その手鏡を見ながらあっかんべーをしてみろ」
「ええ? なんでそんなことを?」
「手鏡の効果を発揮するために必要な儀式なんだ。出来ないと言うのなら、お前にはその資格がなかったということになる」
「わ、分かったわよ……こえでいいほ?」
「見えるだろう……? 舌の表面にある、味を知覚するための無数の器官が……」
「味蕾を映してるだけじゃないの!!」




