流星錘、昼を切り裂いて
「こんにち……っ!? ど、どうしたの!? 壁が壊れてるじゃない!」
「いらっしゃい。一応営業中だから安心してくれ。修復作業もすでに依頼してあるから、数日中には直るだろう」
「……この状態で営業を続けるのは本当にたくましいわね……それで原因は何よ? ひょっとしてまた何かやらかしたの?」
「うむ。この前、流星錘を披露しただろう?」
「ええ……というか、その言葉だけでもう原因が分かってしまったわ……」
「さすがだな、お前の推測通りだ。客が来なくて暇だったんで、流星錘の練習をしようと振り回していたらすっぽ抜けてな。まさに流星のような破壊力だった」
「真っ昼間っからなに人騒がせなことしてんのよ!」
「ふむ。周辺の住人には、夜の静寂を切り裂かれるよりはマシだったと納得してもらうしかないな」
「なんでそこまで上から目線になれるのよ! いい加減にしないと追い出されるわよ!?」
「なあに、心配には及ばん……さすがにそろそろまずいかと思ってな。菓子折りを持って頭を下げて回った。幸い、許してもらえたようだ」
「……住人の視点からすると、どう考えても今すぐ追い出すべきだと思うのよね……感謝を忘れないようにね?」




