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竜の牙

「竜の牙を使って竜牙兵を作ることが出来るじゃない? 私、あの光景を見るたびにつらい気持ちになるんだけど」


「ああ、たしかに竜牙兵は手強いからな。さすがのお前でもあれには苦戦するのか」


「そういうことじゃないわ。まあたしかに楽に勝てる相手でもないけど」


「……? じゃあ何がつらいんだ?」


「竜の牙って凄く高いでしょう? だからあれを使われるたびに、ああ、銀貨数千枚がふいに……って気持ちになるのよ。竜牙兵を叩き壊しても元に戻るわけじゃないし、喪失感が凄いのよね」


「な、なるほど……その発想はなかったな……」


「もし私に時間を戻せる力があるのなら、全ての竜牙兵を牙に戻してやりたいわ」


「わざわざ時間を戻せる力を使ってやることがそれなのか……」

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