ヘンルーダ
「前から思ってるんだけどさ……状態異常を治すアイテムって、予防できなかったらあまり意味なくない? いつも後手後手になって立て直すのに苦労するわ」
「だからこそ冒険者はパーティーを組むんだろう? そういうピンチこそ、助け合って乗り越えてくれ」
「そうは言ってもねえ……石化とかは特に厄介だし、何とかならないものかしら……」
「ふむ……あらかじめ飲んでおくことで、しばらくの間石化を予防できるヘンルーダという植物があってな。それを飲みやすいように加工したアイテムがうちの店にも置いてあるが……」
「あら、それは凄くありがたいわね。私もひとつくらい持っておこうかしら」
「値札を見てみろ」
「……? ええ!? 何これ桁間違ってるんじゃないの? 何回分になるのか知らないけど」
「残念ながら一回分だ。特殊な処理が必要なうえ、素材の採取にもそれなりの危険がつきまとうんでな」
「なるほど……そういう事情なら多少値が張っても仕方ないわね」
「しかもあまり日持ちがしないという欠点もあってな。消費期限が切れそうになったものを俺自身で使うケースもままある……この値段でも採算が取れているかは微妙なところだ」
「それはなかなか大変ね……でもこれを好きな時に使えるのはうらやましいわ。アイテム屋の特権ね」
「……俺にはヘンルーダが必要なんだ。ダンジョンにはいつもソロで潜ってるからな……」
「……うん……その……ごめんなさい……」




