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新生月器ポスリア  作者: TOBE
日常編
1/88

プロローグ

 青の星と緑の星。間に浮かぶ小惑星の一つに、一組の男女が背中合わせで座っていた。

 彼らはそれぞれの本体とも言える母星を目に映し、ポツリポツリと語る。


「あの子を責めないであげてね。人一倍寂しがり屋……それだけだったんだから」


 女に話しかけられた男は、頷きもせず、かと言って否定もせず「後悔しているか?」とだけ訊いた。


「そうね。私は民に、少し与え過ぎたのかもしれない。その点はあなたの方が正しいと思うけど、仕方ないわ」


 だって愛してしまったのだから。

 見えないが、背中の向こうで彼女が笑っている顔を思い浮かべ、男は「そうか」と嘆息する。


「それじゃ、みんなをお願いね」


 女は立ち上がる。最後に目に焼き付けておこうと振り向けば、やはり寂しそうな視線が見上げている。


「やっぱり俺は……」

「ずっと一緒だよ。私とあんたはまた一つになるんだから」


 手を引くと、男も立ち上がる。目を瞑り、最後のキスを交わす。

 唇が離れると女はニコリと笑い。


「さよなら、テラ」


 母星に向けて飛び立った。

 残された男は緑の星に呟く。


「本当にこれで良かったのか?ルナ……」


 対極の位置にある青い星。二つの惑星は異常に接近していた。

 引力による衝突を、免れないほどに。





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