プロローグ的な?
初投稿です。
まだ見やすい書き方等がよく分かってないので、見にくい場合は指摘をお願いします。
柊 康太
先日に中学を卒業し、休みが明けたら高校生になる15歳だ。
試しに中3の頃の彼を覗いてみよう。
身長は170前半
体重は60前半
2歳下の妹が中1にいる
髪が目を覆い隠していて表情不明
コミュニケーション力が皆無で無口
辛うじて幼馴染みが話しかけてくれるが会話は続かない
休み時間は常に読書
成績は校内1位レベル(成績は公表されないため誰も知らない)
帰りの会終了と同時に教室から姿を消す(帰宅部)
……まあ、ここまで聞いたら分かるだろう。
彼は陰キャなのだ。それも超が付くほどの。
彼の中学校生活はとてもむなしく、話しかけてくる人はいないのに陰口をたたく人は後を絶たなかった。
中3では校内1の陰キャ「メカクシ様」として彼の目や耳が行き届かない所でいじられていた。
幸いにも陰口だけで済んでいたので、大きな事に発展せず何事もなく中学校生活を過ごすことが出来ていた。
ここからはそんなキングオブ陰キャのメカクシ様に視点を移してみよう。
「ちょっとお兄ちゃん、いい加減髪切るなりなんなりしたらどうなの?高校生になってもそんなんじゃ妹として恥ずかしいんだけど!」
「そ、そんなこと急に言われても…」
僕の名前は柊 康太
自己紹介は何故かもう誰かが済ましてくれた気がするから省こう。
突然ですが、僕は今困っています。何に困ってるかって?
そりゃあ……
「第一お兄ちゃんがそんな風にだらしないかったら妹の私もそういう風にみられるかも知れないじゃない!」
そうです。妹です。
柊 真由、13歳。
一昨年までは甘えん坊な可愛らしい妹だったんですが、中学に入って急にこんな具合になってしまって…
僕、なんか悪いことしちゃったのかなぁ?
「もう!そんな黙ってないでなんか言ったらどうなの!?」
「へ?あっ、ごっごめん…」
「最近ごめんかすいませんしか言ってないじゃん!もっとシャキッとしてよ!」
「えっ?えぇっと…申し訳ございません。」
「もう!お兄ちゃんの馬鹿!!」
……部屋に行ってしまった。
親は両方とも海外で働いてて生活費は入れてくれるけど家には居ない。だから今僕の力だけで仲直りしなくちゃなんだけど…
どうしよう。
もうなんか駄目だ!思いつかない!
というわけで気分転換&仲直りのアイデアを考えるために散歩に行こう。
僕は陰キャだけど、引きこもりではないからね。
高校には受かってあとは登校日までは春休み。
たまにはこうやってのんびり歩くのもいいな。
…って違う違う!僕は今仲直りのアイデアを出さなくちゃなんだ。
っていっても本当にどうやったら機嫌直してくれるんだろう?なにか好きな物プレゼントするとか?全力で土下座するとか?
う~ん、どうしよ。
「あ、康太だ!久しぶり~!」
聞き覚えのある声がしたと思って振り向いたらそこには幼馴染みの姿があった。
篠田 亜衣
彼女とは3歳の頃からの付き合いで、保育園、小、中学校も同じで今回もたまたま同じ高校に受験してどちらも受かった。
10年以上も一緒だからというのもあり仲は良く、僕が唯一あの中学校で話せた人でもある。
「こんにちは、篠田さん。それと2日前は久しぶりとは言わないんじゃない?」
「んも~だから呼ぶときは苗字じゃなくて名前だって言ってるじゃ~ん。あと2日会ってなかったら久しぶりだからね!」
「わ、分かったよ亜衣さん…」
このよう篠田さんは僕とは正反対で、昔から交友関係が広かったり運動神経がクラス1位レベルだったりと元気な人だ。
そして何度も言うけど僕が唯一中学校で話せる人だ。
「ところで…それって前見えてるの?」
「う、うん」
「嘘だ~、完全に目が隠れちゃってるじゃん。」
「ま、まあね。」
「それはそうと、休みとはいえ昼間に散歩なんて珍しいね。何か悩み事でもあるの?」
「えっ、なっ何で分かるの?」
「長い付き合いなんだからその位分かるよ~。
で、どんな悩みなの?この私が聞いてあげようじゃないか!」
やっぱり元気だなぁ、と思いながら妹のことの流れを説明した。
「なるほどね~。まあ、話を聞く限りなら康太がシャキッとするとか髪を切るとかすれば解決だとおもうけどねぇ。」
「そ、そうなのかな。」
「そうだよ!昔から康太は顔は良いんだからそれを隠しちゃ勿体ないよ。」
「顔はって…う~んでもこの髪型じゃないと落ち着かないっていうか、なんというか…」
「その髪型にそんな効果あったの!?まあそれだったら別の方法を考えるしか無いんだけど、そういえばお母さんからおつかい頼まれてるの思い出したから私はそろそろ行かないと。」
「そ、そっか、分かった。助言ありがとう。」
「いやいやこのくらいお安いご用です!じゃ、またね~。」
疾風のように去って行ったなぁ…
しかし妹が怒っていたのはこの髪型のせいだったのか…
最近はこの髪型じゃなきゃいけないような気がする。というか、この髪型じゃなきゃ自分が自分でいられない。というか……そんな感じなんだけど、妹のためなら仕方ないよなぁ。
そんなことを考えながら僕は家に帰って洗面台の前に立ち、ハサミを手に取った。
そしてこの何気ない散髪がこれから始まる高校生活を賑やかにすることなど、康太はまだ知る余地もなかった。
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次回から主人公の性格がガラッと変わります。