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オートマタ・アンソロジー  作者: 千夜狩猫
2/7

2.ベンチの酔っ払い

野坂オートマタ美術館に展示されているオートマタ『ベンチの酔っ払い』の実演を見て考えたイメージ創作です。

人形の動きを表現しながらそこに自分のイメージを追加した作品となっています。

商売道具のストリートオルガンが壊れてしまった

男はどうにもならぬ怒りからワインを片手にベンチに座り込む

気付くと男はベンチにもたれて眠っていた


夢の中で彼の楽器は今日も良い音色を奏でていた

人々の歌声や笑い声

その声に興味を惹かれたネズミ達

これはかつて自分が見た光景

何故自分は生きる手段にこの商売を選んだのか

生きる術なら他にもあるのに何故なのか


男は生きる手段を選んだわけではなかった

男が選んだのは自分の夢だった

生きる術なら他にもあるが、自分の夢はこれだけだった

諦めきれずに小銭を貯めて、ストリートオルガンを買った

なのに今、壊れたからと言って楽器を捨てて他の道を行くのか

ただ楽に生きる事など誰にも出来ない

なのに夢さえ捨ててしまったならば生きる喜びはどこにあるのか


目を覚ますと男はベンチにもたれかかっていた

目の前には壊れたままのストリートオルガン

しかし彼の夢までは壊れてはいないようだった


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