例えば、小説を書くのに運転免許は必要か?
子供の頃にタイトルのようなことを思っていました。大人になり、答えは出た気がしています。
中学生くらいの頃に友人に勧められて知った、今でも大好きな作家さんのライトノベル。
高校生の主人公がミッションの中型(?)バイクに乗っており、その描写を見て、
「ああ、作家さんっていうのはバイクにも乗れないとダメなんだな」
などと浅はかにも思っておりました。
大人になり、人付き合いで当時興味のなかった自動二輪の運転免許を取った時、
「クラッチ切ってギアチェンジとか、あの作家さんホントにバイクの知識あったんだな」
と、懐かしいラノベとその作家さんのことを思い出していました。
さて、その作家さんのバイクの描写にリアリティを感じていたわけですが、では実際にバイクの免許を持っているのか、というと私は知りません。
ただ、当時中学生でバイクの免許なんて持っていない少年は、「ああバイクってこういうものなんだ」と納得していたのです。
そして、その作家さんの書くロボットの操縦描写でも、「ああこの人のこのシリーズのロボットはこういう原理でそう動くのか」と納得してもいたのです。
では、その作家さんは巨大ロボットの操縦免許を持っているのか。多分無い。
物語においてのリアリティとは、「リアルそのもの」を書くことではなく、例えデタラメでも読者に「納得できる理由付け」をする力ではないか、と思うのでした。