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転校生は婚約者!?

初めての一次です二次が消えてからかなりのダメージを食らってますがどうぞ

「ゆに、宿題写させてくれ」


誰かが俺の机に両肘をつけて拝んで来た


「またかよ、ほらよ」


「お、サンキュ! 持つべき者は頭のいい友だな」


こいつは俺の悪友で親友の箕輪(みのわ) 大輔(だいすけ) なんでもお笑い芸人の親戚だが姉弟みたいだ。そこまでは知らないけど

頭は悪いがうちの高校の一、二を争うイケメンだ

そして俺は斎籐 ゆに(さいとう ゆに)イケメンではない。ただ頭は一応この高校の一年では一番だ

言っておくが俺は男だぞこんな名前でもな


「こんな高校で一番取っても意味ないよ」


俺はこの高校の入試を一番で入学している


「まあ、そうだな。俺についてきただけだもんな」


「ああ、お前と違う高校行ってもつまらんしな」


「嬉しいこと言ってくれるね~」


大輔は俺の脇腹を肘でこずいてくる


「はいはい、さっさと写しちゃえよ。SHR始まるぞ」


「うおぉぉ、ほんとだ! じゃ借りるぞ」


大輔はダッシュで自分の席に戻る


俺の通う高校

学校名 県立藤岡高等学校ごく普通の高校だ

ただ違うのは、この高校の生徒会は一年の入試試験で満点を取った者が二年間生徒会長をやることになっている。

もちろんそんな人は、まずいない10年に1人いるかいないかだ。なのでだいたい入試試験で一位を取った者が二年間会長をやる二位が副会長三位が会計だ

三年生は生徒会メンバーには入れない

そして、そろそろ生徒会の引き継ぎが始まる


「俺入試試験満点なんだよな〜」


そう、俺は入試試験を満点で入学してしまった


「おはよ! 優等生」


俺の隣の席の女子が朝の挨拶をしてきたので俺も返す


「おはよう、梓。優等生はお前も同じだろ」


隣の席の女子は俺の幼なじみの高橋(たかはし) (あずさ)

梓は入試試験二位だ

梓もそこそこ美人だ

なんか、ファンクラブまで出来たみたいだ

なんか、俺だけ普通だな


「そうだね〜」


「そうだねって……まあ、いいか、すまんな今日先に行っちまったけど」


「いいよ。 今日、日直だったんでしょ?」


「ああ、そうだよ」


「あ、はいお弁当」


「いつも、悪いな」梓とは産まれた頃からのお隣さんだ

元々両方の親が友達で家をお隣にしたみたいだ

どんだけ、なかいいんだよいつも、俺の分の弁当を作って来てくれる


「おまえら、見せつけてくれるね~」


大輔が近づきちゃちゃをいれる


ゴフッ


「ぐはっ!」


「殴るぞ?」


「殴ってから言ったぞお前!」


「うっせーな。もうノート見せねえぞ」


「すいませんでしたっ!」


大輔は流れる様に正座そして土下座した


「で、写し終わったのか?」


「おう、終わった。サンキュな、ゆに」


「たまには自分で宿題ぐらいしてこいよな」

俺はノートを受け取りながら言う

こいつには中学からずっとノートを写させてきた正直もう慣れた


「また今度な」


「お前の今度はいつになるやら」


「ほんとよ、大輔もしっかりやりなさいよ」


「はい! 梓ちゃん」


「は~い、SHR始めるぞ」


担任が入って来たのでクラスは静かになる


「じゃ、後でな」


大輔も戻る


「と、その前に今日はみんなに嬉しいお知らせがあります。」


「先生!なんですか?」


クラスの1人の女子が聞く


「転校生です」


「「「「お~」」」」


「先生、男ですか? 女ですか?」


クラス全体が沸いたあとバカな男が聞く


「女の子です。じゃ入ってきて」


「はい!」


担任に促されて廊下から入ってくる


「初めまして、伊藤美咲(いとう みさき)ですよろしくお願いします」


俺は美咲とか言う女の子を見る

目が合うとニコリと笑顔で返してきた

俺は別段気にせず、ほおずきして、窓の外に目をやる。

俺の席は窓側の後ろから二番目だ。ちょうど窓の外の景色がよく見える


「そして、ゆにの許嫁(いいなずけ)です。」


うーっと、今なんて言った?


「ゆに! どう言うことだ!梓ちゃんと言うものがありながら許嫁だと! 納得のいく説明をしろ!」


「「「そーだそーだ!」」」


大輔に始まり、クラスの男子が騒ぎ始めた


「知らん。俺が説明して欲しいくらいだ」

俺はほおずきして窓の外を見ながら言う

実際知らないし


「ゆーちゃん、どういうことなの?」


「梓、俺もさっぱりわからない」


「じゃなんで美咲って子がゆーちゃんの許嫁とか言ってるのかな?」


「だからしらな――」


そこに、俺の携帯がなる


「こんな時間に誰だよ」


俺は携帯をだして発信者の名前を見る


「親父からかよ」


今仕事で海外にいる親父からだ母親も一緒のはずだ

うちの両親は同じ仕事をしている

今は揃って海外にいる


「もしもし? なんのよう? 今授業中なんだけど?」


「わりわり、お前にいい忘れたことがあってな」


俺は廊下にでてから電話に出る


「で、なに? いろいろと忙しいんだけど?」


「わかった 今日、お前の許嫁の美咲ちゃんがくるから以上またな」


「って、おい待てよ!」


もう切れていた


「なんなんだよ」


俺はぶつくさいいながら教室に入り席に座った


「用事はすみましたか斎籐くん?」


「え、はい。すいませんでした」


「そう、じゃ美咲さん斎籐くんの後ろの席に座ってね」


「ゆーちゃん、おじさんなんだって」


「美咲さんのこと」


「なんて言ってたの?」


梓は身を乗り出して聞いてくる


「お前の許嫁がくるからって言って切られた」


「おじさんらしいね」


梓も呆れてる


「ゆに、今日からよろしくね」


俺の横をで立ち止まり俺に話しかける美咲と言う女子


「親父と君は知ってるみたいだが俺は、初耳だして君とも初対面だ。許嫁なんて知らないからな」


「何度会いましたよ。覚えてないなら仕方ないですね」


そのまま美咲は自分の席に座った


「やはや、金持ちの人の考えることは私にはわからないな」


担任が言う


確かにうちは裕福だけど、こんな話知らない

それに梓の家も同じ仕事をしてるんだから変わらんだろ

しかも梓の両親もうちの両親と一緒に行ってしまった



「なんなんだよ」

それから授業が進んでいくが見に入らずただ受け流す感じで聞いていた

まあ、この辺は頭に入ってるからな

授業が終わる合間にはクラスのみんなの質問攻撃をイヤホンで耳を塞ぎ音楽を聞いて受け流していた

そして昼休み


「はぁー、やっと昼か」


「お疲れ様」


俺たちはいつもの昼を食べる場所にいる

そこは、人気のない場所だ。けど陽当たりのいい場所だ。そこのベンチに腰掛けていつも梓の作った弁当を食べる


「あー、今日は本当疲れた」


質問攻撃を受けるまえに、梓の手をひきここまでダッシュした。


「はい、あーん」


「う? あーん」


「どう?」


「うん、いつもながら美味しいよ」


「そう、ありがとう。じゃ、次はこっち。はい、あーん」


「あーん」


俺はパックのお茶を飲み口の中をさっぱりしてから次を食べる


「 味付け変えた?」


「うん、この前ゆーちゃん濃い目がいいって言ってたから少し濃くしてみたけど、どう?」


「これは、これでいいよ。おいしい」


「本当! よかった!」


「じゃ、今度は俺か。どれにするかな~よしこれにしょう。はい、あーん」


「あーん」


「ふふ。幸せ」


「それは、よかったよ」


「いつまでも、こんなこと出来ればいいんだけどな~」


「………」


「あ、無視した! しかも食べたな~」


「知らんな」


「嘘つくな~」


俺たちは付き合ってはいない

ただ恋人ごっこをしているだけだ

高校生になってごっことか、子供ぽいと思うなよ。以外と楽しいぞ


「はいはい、あーん」


「ごまかしたね 仕方ないなー。あーん」


それからお互い食べさせあって弁当を平らげる


「はい、お茶」


「サンキュ、梓」


「ダメ」


「なにが?」


ポットのお茶を受け取ったところで梓にダメ出しされた


「私のことは梓じゃなくてあーちゃんでしょ」


「はずいから嫌なんだけど」


「ダメ」


「わかったよ。あ、あーちゃん」


自分でも顔が真っ赤になったのがわかる


「よくできました!」


「てか、これ幼稚園の時の呼び方だろ梓は平気で言ってるけど、はずいぞ」


俺は、この呼び方は小学校二年生でやめたが梓は今でも使っている


「そう? 私は別になんとも思わないけど?」


「ふーん。まあ、いいけど」

お茶を飲み一息ついて言う


「ゆーちゃんも私のことはあーちゃんだからね!」


「それは断る」


「なんでよ~」


「なんでもだ!」


「ゆーちゃんのいけずー」


「はいはい」


それから少し沈黙が走った


「ねぇ、ゆーちゃん?」


「なに?」


「大事な話があるんだけど聞いてくれる?」


「大事な話?」


「うん」


「いいよ」


「あのね……そのーね」


珍しく歯切れが悪いなどうしたんだ?


「なんだよ」


「そのー。 私と付き合ってくれない?」


「付き合うってごっこじゃなくて、ほんとの恋人になるってことか?」


「う、うん」


「……ごっこじゃダメなのか?」


「ごっこじゃ、いずれ出来なくなっちゃうもん!ダメ?」


いつになく真剣な顔の梓に少し戸惑う。俺


「いいよ、付き合っても」


「え? 嘘!?」


「嘘じゃねえよ」


「じゃ、キスして!」


「な! なんでだよ!」


「えーいいじゃん恋人になった記念だよ~」


うっ、はずい


「早く~」


「わかったよ! すればいいんだろ! その代わりこれっきりしないからな!」


ちゅっと口にキスしてやる



「ファーストキスあげちゃったしもらっちゃった!」


「そ、そろそろ帰るぞ!」



「あー、照れてるでしょ」


「あ、当たり前だろ! てか、なんでお前は平気な顔してんだよ!」


「え? だってー、恥ずかしさより、嬉しさの方が勝ってるからだよ。じゃ行こ」


梓は荷物をまとめ終えて俺の腕に腕を絡めてくる


「よせ! はずい!」


「なんで?」


「はずいからだよ!」


「別にいいじゃん。みんな私たちのこと夫婦とか言ってるし」


「そうだけどよ」


「ゆーちゃん、老けるよ」


「ぐっ」


さすが幼なじみ俺の弱点はお見通しですか


「じゃ行こ」


俺は梓に引きずられて教室に向かった








「お、夫婦のお帰りだよ。しかも今日はいつにも増して熱々だよ。」


「あ、本当だ 熱い! 火傷しそうだよ!」


「おーい、誰か氷持ってこい!」


教室に入るなりこれだよ


「梓、そろそろはなしてくれないか?」


「ダーメ、席までは、はなさない」


「わかったよ」


「あ、いたいた。ゆに、お前の許嫁が探してたぞ!」


「あっそ。」


「あっそってお前許嫁だろう?」


「だから、俺はあいつと会うのは初めてだって言っただろ!」


「だからって」


「じゃ、また後でな」


今度は俺が梓を引きずり席に座る


「まったく、強引なんだから」


「はいはい」


梓も自分の席に座る

そしてノートになにか書き始めた


「親父に電話してくる」


「いってらっしゃい」


梓は書きながら言う

なにをやってんだ?

そう思いながら携帯を持って廊下の一番奥の階段まで行き電話をかける


「もしもし。ゆに、なんだ?」


3コール目で親父が出た


「俺は梓と付き合ってるから美咲とは無理だ」


「とうとう梓ちゃんとうまく行ったか」


「どういうことだ?」


「いや、気にするな。でも、美咲ちゃんはお前の許嫁なのは変わらないよ。梓ちゃんと結婚するならまだしもまだ付き合って一年もだってないだろ?」」


俺は壁にもたれ掛かる


「ちっ、美咲はどこの子なんだよ。俺にわかるように説明しろ」


「今は忙しいから言えない。じゃ、俺は仕事に戻る」


「って! おい、待てよ!」


また切れてるし


「くそ親父」


俺はまたぶつぶついいながら教室に戻る


「あ、ゆに! 探したのよ」


「お前は、伊藤美咲」


教室に入る手前で呼び止められる

呼び止めたのは例の転校生で俺の許嫁(非公認)だ


「美咲でいいよ。だって婚約者同士でしょ」


「そんなこと知らないと言ってるだろ」


「知らないと言われても、お父様が決めたことですし」


「まあいい、授業に遅れるから行くぞ」


「はい」

教室に入り席に座ったところでチャイムが鳴った






「やっと、放課後か」


「そうだね。じゃ帰ろう」


「帰るか」


いつものように、カバンを持って大輔を連れて学校をでた


「じゃ、俺はここでな」


「ああ、明日な大輔」


「じゃあね。大輔くん」


「じゃあね~梓ちゃん」


大輔と交差点で別れ、梓と二人で帰宅道に入った


「ゆーちゃん。夕飯どうする?」


「あ、そうか。また梓に作って貰うのか」


「気にしないで、料理好きだから! それでなに食べたい?」


「うーん、そうだな……オムライスかな?」


「ゆーちゃん、ほんとオムライス好きだね~」


「わ、悪いかよ」


「別に~」


梓は笑いながらくるくると回りながら先に進む


「転ぶなよ」


「大丈夫、大丈夫」


「いつになく、テンション高いな」


「そう?」


「そうだよ、幼なじみを舐めるなよ」


「じゃ、私の幼なじみなら当てられるよね。なんで私はこんなにテンション高いんでしょうか?」


やっぱ、今日はいつになくテンション高いな


「知らないな」


梓の頭を撫でて先に行く



「むー、嘘つき! ほんとは知ってるくせに」


「おいてくぞ」


「あー、待ってよー」


梓は後ろからトテトテと言う擬音語が似合うような足取りで俺を追いかける


「捕まえた」


「はいはい」


「むー、冷たい」


「いつものことだろ」


「だけど、彼女なんだから優しくしてよ」


「考えとくよ」


そんなことを話ながら家まで一キロぐらいになると、大きいトラックが何台も通って来た


「なんだ? どこか引っ越しか?」


「そうなんじゃない?」


「なあ、あそこって俺の家のじゃない?」


「だね。行ってみる?」


「だな」


走ってトラックが止まった家まで行く


「やっぱり、俺の家か」


「あ、ゆに! 今ちょうど荷物が届いたところなの」


「どういう事だ?美咲」


「どういう事って、私もここに住むのよ」


「……はい?」


生まれて初めて全身全霊で『はい?』と言ったぞ


「もー、ゆーちゃん待ってよ~私足遅いんだからー。あれ? 今日来た転校生の美咲ちゃんじゃん、どうしてここに?」


俺の後ろから顔を出した梓も状況がわからずにいる



「今日から、ここに住むのよ。ゆにの婚約者だからね」


「へー、だってゆーちゃん」


「きーてねぇー!」


「また、おじさんだね」


「はい、部屋を探すより家に住めばいいとおじ様が言いましたのでお言葉に甘えさせてもらいました」


「はぁ。だと思ったよ」

「ゆに、不束者ですけどよろしくお願いします」


綺麗なお辞儀をする美咲

それを見とれる俺

面白くないのは梓だ


「ゆーちゃんなに見とれてるのよ!」


「み、見とれてねぇよ!」


「嘘つき」


「………」


「ほら、図星でしょ」


「まあ、いいから。家に入ろうか」


「ごまかした」


うっせえな。なに怒ってんだよ、梓のやつ。まあすぐによくなるだろ


「そうですね」


との言葉を聞いて俺を先頭に美咲、梓が家に入る。



「ところで美咲、部屋をどこを使った?」


居間のソファに座る美咲に訊く


「ゆにの部屋」


「今すぐ、違う部屋に移動しろ」


「何故ですか?」


かわいく首を傾げる美咲


「何故ですか? じゃねぇ! 他に部屋は在るだろうが、何故わざわざ俺の部屋なんだよ!」


「許嫁ですから」


「いいから、移動しろ」


「もしかして、あのエッチな本があるから?」


「なっ!」


「ゆに。不潔!」


俺から数センチ離れる梓


「失礼な! 健全な男子なら普通だろ!」


「そうですよ、梓さん。――ゆに、言ってくれれば私はいつでもいいんですよ。」



そう言いながら美咲は制服を脱ぎ始める。


「おま、なんで脱いでるんだよ!!」


「へ? したいんじゃないんですか?」


「うっなわけあるかー! いいから服着ろ!」


俺は慌てて後ろを向く




「いいんですよ。私はゆにの婚約者なんですから」




「しらないわ! 俺は好きな奴としかしない。お前も婚約者だからどうとかじゃなくて好きなやつとしろ!」



「ゆには私のこと嫌いですか?」


「好きとか嫌いとかの問題じゃない初めて会ったのにわかるかよ。」


ゆには自分の部屋へと向かう


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「えらい目にあったぜ」


額の汗を拭いながら椅子に座り机に向かう。


「さて、着替える前に今日の復習をするか」


カバンからノートや教科書を取り出して開きペンを走らせる


「ゆーちゃん?」


「なんだ梓」


あらかた復習終わった頃梓が部屋に入ってきた。


「美咲ちゃんの部屋一階の空き部屋にしたから」


「ああ、ありがとうな」


「ううん。ただゆーちゃんと美咲ちゃんを一緒にしたくなかっただけだから」


梓はベッドに腰掛ける


「なんだ、彼女になったから嫉妬か?」


「嫉妬かな?わかんないけどゆーちゃんを渡したくないもん」


「それは嫉妬じゃないのか?」


俺も隣に腰掛ける


「わかんないのだって初めてだもん。彼氏出来たの」


「あれ?そうだっけ?」


「そうだよ。私彼氏出来たのゆーちゃんが初めてだよ?ずっと好きだったからねゆーちゃんのこと」


俺は梓の話を聞きながら横になる。


「ゆーちゃんも彼女できたことないよね」


「ないよ。勉強に忙しいからね。彼女作る暇なんてなかったね。まあ、別に欲しいとも思わなかったけどな」


「がり勉ばか」


「ほっとけ」


すこしの間沈黙が走る。


「ん?なんだよ」


視線を感じて目を開けると梓がこちらをじっと見ていた。


「ゆーちゃんってほんと顔つき女の子に似てるよね」


「はぁ?どこが?」


「ほっぺたの弾力とか」



そういってぷにぷにとほっぺたをさわり始める


「やめろ」


振り払うように寝返りをうつ


「ねえ、ゆーちゃん」


「なんだよ」


「エッチなことしたい?」


「げほっげほっ…。きゅ、急になにを言い出すんだよ!」


むせ返しながら起き上がる



「いや、ゆーちゃんも健全な男の子と聞いたししたいのかなぁって」


「そりゃ。俺だって健全な男子だしエッチな本とか持ってるよ。だけどまだ俺たちつき合ったばっかりだよ?まだ早いよ」


「そっか、そうだよね。私なにいってるんだろうね」


梓ははははっと笑う



「お前どうしたんだ?美咲にでもライバル心燃やしてるのか?なら、気にするなよ。俺は好きなのは隣に居て安心できる梓なんだから」


「そっか、ありがとう。ゆーちゃん私も好きだよ」


言いながら梓は目を閉じて顔を近づけてくる


「キスか?」


「ぅん」


「仕方ないな」




ちゅ…


「普通はないぞ。つき合った日にキスとか」


「そうなの?私の周りはキスしてからつき合ったひと多いけどなぁ」


「くさってやがる」


「別にいいんじゃない?」




「いいのか」


「好きならいいんだよ」



「ふーん」


梓は立ち上がる


「私着替えてくるね」


「おう」


梓は部屋を出た。


「俺も着替えるか」


クローゼットから適当に出して制服はかける。


「ふぅー。今日は疲れた」



ぼふっとベッドにダイブする


「あぁー……眠くなってきた」


目をつぶったらそのまま寝ちゃったらしい


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『こら、ゆに!美咲ちゃんをまた泣かして!』


『泣かしてないよ。転んだだけだよ』



『転ばしたんじゃないのか!?美咲ちゃんはお前の将来の奥さんなんだぞ大切にしなさい』


『わかったよ……』


「……ゆに…。起きてゆに」


「うぅ…。」


「やっと起きたぁ」


「美咲?」


目を覚ますと目の前には美咲の顔があった。


「そうよ。婚約者の顔間違えないでね」


「俺たち昔っから婚約者だったんだな」


「そうよ、昔っからよ。だから私はゆにしかみてなかっただけよ」



あの夢は昔小さい頃俺と親父2人で他のところにいた。

別に別居って訳じゃなくて仕事の都合で

そのとき親父の親友の娘にあった。

それが美咲だった

なんだかんだで俺たちは婚約者にされた

最初は意味がわからなかったがだんだんわかってきて反発をした



「親父たちが勝手にやったことなのにいちいち本気にするなよ」


「お父様が言ったことは絶対ですから」


美咲おじさんに忠実だったからな。

夢でみたい中では美咲もおじさんに忠実だったしおじさんも美咲には甘かった

俺はしょっちゅう怒られてた



「まあ、いいけど。で、俺を起こしにきたのはなに?」


「あ、夕飯できたからと梓さんに言われて起こしにきたの」


「今日はオムライスだったな」


「さて、いくか」


ベッドから立ち上がると…


「えいっ」


「うわっ」


ぼふっとベッドの布団がなる


「美咲?」


「私たちは婚約者。婚約者らしいことしょっか」


「まてまてまてー。なにを言ってやがる。俺たちは会ったのは小さい頃でやっと会えたんだろ?早いわ」


「私は言われてから初めっからゆにに初めてあげるつもりでいました」


「し、しるかっ」


こいつも強敵だぞ。

一途すぎる。てか、梓も一途だし……俺のどこがいいんだよ……

頭がいいだけで顔だって性格だって普通の俺のどこがいいんだ


「私を食べてください」


「いやです!」


押し戻して起き上がる



「私のこと嫌いなんですか?」


「好きとか嫌いとかの問題じゃない」




「なら、なぜ?」


「浮気はやだ。俺は梓とつき合っている。だから俺はお前とはなにもできない」


「え……?」


美咲はゆにの言葉に言葉を失う


「だからお前も俺よりいいやつ探せ」


「………」


俺は美咲の頭をちょんと触って立ち上がろうとする


「のわっ!」


「ふざけんな。私はあんたしかみてこなかった。今更他のやつに行けとか無理に決まってんだろうが!」


おしとやかだった美咲の口調ががらりと変わった男みたいながらの悪い口調に

そして……


「むぐっ!!」


無理やりキスされてしまった


「私はあきらめないから」


そういい残して部屋を出て行ってしまった。

残されたのは俺1人



「今日はなんて日だ。くそ、キス何回したと思ってんだよ…」


頭を掻いてゆにも部屋を後にした

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