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0.はじめに
引きこもりの少年が一人前の勇気を得るまでを描いた、ファンタジックな青春小説です。
細かく区切っているので量が多く見えますが実際はそうでもありません。
0.はじめに
ボトルってあるだろう。瓶だよ。細長いネックがあって、その下に胴体が付いてるやつ。普通はワインとかブランデーとかが入ってて、空になったら捨てるか花瓶になる。あるいは、ボトルシップの材料になったりね。
僕はどういうわけだか、その中に入ろうとしていた。だけど足が口のところでつかえてしまって、どうしても奥に進めない。身をよじったりひねったりして何とか体を押し込もうとしているんだけど、何だか産道を通り抜けようとしていた時の記憶がよみがえって来そうな……
いや、何でこんな事から話そうと思ったんだろうな。どうかしてるよ。
君たちにもわかるように全部最初から話すべきだろう。そりゃあもう最初も最初、何もかもが始まる直前のあの日々から。