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おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾


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第98話 フィラ強化計画 ⑥

 


 男爵たちと合流し、最初の目的は果たしたが、ここへ来て更に問題が浮上した。


 話をまとめると、どうやら俺達よりも更に前に、誰かがこの遺跡へ入った可能性が出てきた。


 俺達は話し合い、結果、このまま地下3階層の奥まで探索する事になった。


 この異常事態の原因も確かめなくてはならないだろう、モンスターが居ないという事態だ。


 やれやれ、誰が遺跡に潜ったにせよ、早いとこ探さなくては。


 この遺跡、セルセタ文明時代の遺跡には、地下3階層の奥にとある魔動装置がある。


 大規模転移装置だ。それが原因だったと仮定すれば、このモンスターが辺りに居ない事態も納得がいく、取り敢えず行ってみる事にしよう。


「それじゃあ、行こう。隊列はこのままでいいよな?」


「ちょっと待てジャズ、何お前が仕切っているのだ?」


 ポール男爵が何やら待ったをかけた。なんだよもう。


「お前達は平民なのだから、俺様貴族の後ろを付いてくればよいのだ。いいな?」


 ここでガーネットが吠える。


「ちょっと! 男爵、ジャズの言う事を聞きなさいよ! こういう時のジャズって意外と頼りになるんだから。」


 更にフィラも加わる。


「私は元々、ジャズ様以外の命令を聞く気は無いのですが、如何しますか? 男爵。」


 ここで男爵たちが反論する。


「貴族とはな、平民のお手本にならなくてはならんのだ。危険な前衛は俺様に任せておけ。」


 俺も意見する。


「ポール男爵、悪いがここは俺の指示に従って貰うぞ。あんた等を死なせる訳にはいかんのでな。取り巻き達もいいな?」


「おいおい、取り巻き言うな、俺達にだって名前ぐらいある。」


「じゃあ自己紹介からだ、俺の名はガイア、大盾使いだ、頑丈さには自信がある。」


「俺の名はオルテガ、ハンマー使いの戦士だ。棍棒なんかも使う、何も考えずに叩くだけだから楽だしな。」


「俺はマッシュ、もう知ってるよな? シーフだ。」


「ほう、黒い三連星か。よろしくな。」


「くろいさんれ? 何だそれ?」


「気にするな、こっちの事だ。」


 男爵が仕切りだす。


「自己紹介も済んだな、よし、それじゃあ行くか。目的は今回の異変の調査及び、遺跡へと入った奴の捜索だ。」


「なあ、ポール男爵、隊列はどうする? あと、モンスターに遭遇した場合の対処は?」


「そんなの適当でいいだろうジャズ、モンスター相手には突撃あるのみだ。」


 駄目だこいつ、まったくリーダーに向いてない。しゃーない、ここは俺がそれとなく言うか。


「男爵を危険に晒す訳にはいかない、前衛はフィラ、俺、その後にポール男爵たち、後衛にガーネット、これでいこう、どうだガーネット?」


「オッケー、いいわよ。それで。」


「ジャズ様の采配通りにします。」


「む、むう、まあいいだろうそれで、もし戦いになったら真っ先に俺様に戦わせろよ、いいな! 冒険者歴が長いのは俺様ぐらいだからな、これでもDランク冒険者だ。俺様に任せろよ。」


「ああ、解った、だが、初手はフィラに任せて貰うぞ、いいよな男爵?」


「うむ、まあいいだろう。」


 よしよし、これで大丈夫だな、フィラの実力なら3階層のモンスター相手でも何とかなる。


 いざとなれば俺がフォローするし、これでいこう。


 結果的に、前衛がフィラ、俺、中衛が男爵たち、後衛がガーネットという隊列になった。


 まあ、ポール男爵たちは自分達も前衛と勘違いしてくれているので、このままでいい。


 さて、行こうか。一気に七人一党《パーティー》になった事だし、慎重に行動しよう。


 ここから先は確か、そこそこ強いモンスターが出てくる筈だ。


 まあ、俺とフィラで対処すればいいか。


 俺達は進みだし、通路の奥へと向かった。その途中、モンスターに一度も遭遇しなかったのは不思議だったが、まあ楽ちんなのでいいかと思う。


「見てくださいジャズ様、階段がありました。」


「ああ、そのようだな。」


 しばらく進むと階段を発見した。俺達の目的は地下3階層の奥へ向かう事なので、このまま下へと降りる。


 地下3階層まで来た。辺りを警戒、しかし、異常は無い。静かなものだ。どうしてだろう?


 ガーネットが何かに気付いた。


「ねえ、見てジャズ、このモンスターの残骸を。」


 ガーネットに言われて辺りを松明で照らし、様子を見る。


「こいつは、レッドスケルトンだな。かなり手強いモンスターだった筈だ。おそらく相手に出来るのは俺とフィラぐらいのものだ。」


 松明で辺りを照らすと、そこには無数のレッドスケルトンの残骸が転がっていた。


「うーむ、この有様、おそらく一撃でモンスターを倒しているな。」


「解るのか? ポール男爵。」


「侮るなよジャズ、こう見えて冒険者歴はお前達よりもずっと長いんだ。見ただけで解るさ。」


 ほーう、男爵のやつ、中々見どころがあるじゃないか、リーダーの器かどうか解らんが、一応頼りになる先輩という事か。


「レッドスケルトンをほぼ一撃で倒すって、中々デキるパーティーかもな、もしかしたら腕の立つ奴が先にいたりしてな。」


「どうするの? ジャズ。」


「このままモンスターの残骸を辿って行こう。もしかしたら俺達よりも先に遺跡の装置に辿り着いているかもな、このまま行こう。」


「「「 了解だ。 」」」


 おや? 素直だな、俺の言う事を聞いてくれる様になってきたか。


「この遺跡は初めてだからな、慎重にもなる。おいジャズ、あまり無理するなよ。何かあったら俺様に任せろよ、いいな。」


「ああ、解ったポール男爵。」


 ふーむ、一応俺達の事も考えているのか。もしかして男爵はただ単に経験が足りないだけかもな。


 ふーむ、フィラにも戦わせてみて、スキルポイントを増やしたいと考えているが、こりゃあこの辺り一帯のモンスターはもう倒された後かもな。


 このまま先へと進み、モンスターの残骸を辿って進む。


 それにしても凄いな、ここまで来て更にモンスター相手に一歩も引くことなく、快進撃をしている奴が俺達の前にいるとは、一体誰だろうか?


 更に奥へと進み、そして遂に地下3階層の最深部の前まで到着した。


 ここまでモンスターとの遭遇は無い。一体誰がここへと潜ったんだろうか? かなりの凄腕冒険者だぞ。


 その手前で、何か剣戟のような音が聞こえてきた。誰かが戦っているのか?


 魔動装置がある部屋までやって来た。大きな空洞だ。体育館ぐらいの広さがある。


 中央に件の装置が窺える。それを挟んで二人の女性が居た。一人は見た事がある。あれは確か。


「姐御!? 姐御じゃないですか!!」


 ガーネットが声を上げる。確かにあれは姐御だ。知っている。


 だが、その姐御と相対している女性は知らない、誰だろうか?


「貴方たち! 迂闊にこの女に近づいては駄目よ!」


「あら、ご挨拶ねえ、いいじゃない、少しくらい。」


 そうか、姐御だったのか、道理でここまでモンスターを倒してきた凄腕の冒険者がいるものだと思ったよ、姐御なら納得だ。


 確かクラスは上級のソードマスターだったよな。道理で強い訳だよ。


 だが、………………その姐御をもってしても、互角に渡り合っているあの女性は一体?


「姐御! 一体何があったんですか? その人と何故戦っているのですか?」


「詳しい話は後よジャズ! 先ずはこいつを何とかしなければ、取り返しが付かない事になるわ!!」


「魔動装置ですか? 一体何故、装置のある部屋で戦っているのですか? 姐御! その女性は一体?」


 姐御と相対している女性は、黒いローブに身を包んでいて、胸の膨らみが異常なほどの豊満な身体つきをしている。つい目線が胸にいってしまう。


「うふふ、初めまして、私はただの通りすがりの女ですわ。うふふふ。」


 ちょっと怪しい、いや、凄く怪しい。


 それにしても、また黒ローブか。ホントこの国は黒ローブに人気のスポットが多いんだな。


「あんた、ひょっとして「ダークガード」だったりするのかい?」


「…………うふふふふ、私が何者かなんて、どうでもいい事でしょ? 違わない?」


 ここで、姐御が真剣な表情で俺達に言った。


「この女は貴方たちよりも遥かに強いわ、決して近づいては駄目よ! いいわね!!」


 姐御とタメを張れる女か、俺の出る幕じゃないな。こりゃあ。



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