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おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾


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第92話 レベルアップとカツ丼と

 

 フィラを巡っての、男爵との一騒動はあったものの、何とか無事にフィラを迎える事が出来たジャズ。  


 戦闘奴隷を手にしたジャズは、新たな仲間を得て、親交を深めるのでした。

 ********************************************


 今日はフィラを連れて、いつもの食事処へと足を運んだ。


「ここだよフィラ、この店が旨い飯を作ってくれる女将さんが居るんだよ。」


「なるほど、ここですか。ご主人様の行きつけのお店というのは。」


 フィラと二人、店の中に入ろうと引き戸を開け、店の中へと入る。


「女将さん、こんにちは」


 まずは挨拶から。


「おや? 来たのかい。…………んん? その娘は誰だい?」


「ああ、紹介するよ、この娘はフィラ。俺が買った戦闘奴隷だよ。」


 ここでフィラが丁寧に挨拶をする。


「初めまして、ジャズ様の背中を預からせて頂いております。戦闘奴隷のフィラと申します。よろしくお願いいたします。」


「はいよ、フィラちゃんね。こちらこそよろしくしておくれよ。」


 フィラはしっかりした娘だ、こうして普通にしているととても魅力的だ。


 だが、ちょっとでも怒りの感情を露わにすると、途端に戦士としての顔を現す。


(ふーむ、何きっかけで怒るのかな? 今一それが解らん。まあ、気長にフィラと接していけばいいか。)


 ここで女将さんから一言があった。


「へえ~~、あんた奴隷なんて買える余裕があるんだね。羨ましい限りだよ。しかもべっぴんさんじゃないかまったく。」


「まあね、臨時収入があったからね。」


「へえ、活躍したって訳なんだね、ちゃんと仕事をしている様で感心だよ。フィラちゃん、これからもこの朴念仁をよろしくしてやっておくれよ。」


「はい。」


 褒められた。いい気分だ、女将さんには敵わないな。さて、今日はどんな食事にしようかな。


 フィラと一緒にカウンター席に座る。店にはお客さんが疎らに居たが、今の時間は空いている方だ。


「女将さん、今日は空いてるね。」


「まあ、皆、先日の降臨祭の疲れやら何やらで、自分の家で大人しくしているんじゃないかねえ。」


 あ、なるほど。そう言う事もあるか。まあ空いているなら静かでいいな。これはこれで。


「今日は何にするんだい?」


 女将さんが注文を訊いて来た。うーむ、今日はどうしようかな。


 フィラと二人で来たから、がっつり系でもいいし、軽めでもいいし、どうしたものかな?


「女将さんのおすすめってあるかい?」


「うーん、そうだねえ、いい豚肉が入ったから、トンカツなんて物がいいかもしれないねえ。」


 な、何!? トンカツだと! それならもうコレしかないだろう。


「女将さん、カツ丼か味噌カツってある?」


「ああ、どっちもあるよ。どうするんだい?」


 ならもう、決まりだな。


「カツ丼、カツ丼を二つ頂戴! カツ丼食べたい。フィラもいいよね?」


「はい、ご主人様と同じ物で構いません。」


「はいよ、カツ丼二丁ね、今からとんかつを揚げるからちょっと時間が掛かるけどいいかい?」


「全然待つよ。カツ丼喰いたい。」


「じゃあちょっと待ってな。」


 女将さんは料理を始めた。出来上がるまでしばし待つ。


 まさかこの世界でカツ丼が食えるとは思ってなかった、カツ丼は好物の一つだ。


 子供の頃から食っていたから、一番好きな食べ物だ。


 うーん、この脂っこい匂いが堪らん。割り下も期待できそうだ。


 料理が出来上がるまで暇だ。フィラと会話するのもいいが、こういう時はフィラも俺も大人しくしている。


 あ! そうだ、折角クラスアップしたんだ。レベルの上限が上がっている筈だよな、よーし、ここらで一丁レベル上げといこうか。


 経験点が4700もあるから、これで一気にレベルを上げられるな。


 確か中級クラスだと一つレベルを上げるのに経験点が1000点必要なんだよな。


 よーし、一気に4つ上げられるな。


 よしよし、レベル14まで上がったぞ、HPも42だ、これでかなり打たれ強くなった筈だ。


 レベルも上がってスキルポイントもその分増えて、SPは70もある。これはかなり増えた事になる。


 うーむ、ここらで一丁、上級スキルの更に上、超級スキルを習得するのも悪くは無いな。


 しかし、今までのスキルを強化する方がまずは先決だよね。


 確か全属性耐性LV4まで取っているから、ここでもう上限のLV5を習得してしまおうか。


 必要SPは25ポイントだ。


 よし、全属性耐性をLV5の上限まで上げた。これで魔法攻撃に対して100%ダメージを防ぐ事ができる、つまり、実質俺には魔法が効かないという事だ。


「ディスペル」とは違うので完全に防ぐという訳でもないが、それでも魔法攻撃に対してかなり強みになった事は事実だ。


 後はそうだな、剣術のレベルを上げるか、………………よーし、剣術LV5になった。


 これで接近戦は大丈夫そうだ。残りのSPは40。


 よし、超級スキルを取ろう。何がいいかな? 超級スキルはどれも必要SPが10以上だから、余分なものはやめた方がいい。


 うーむ、悩むな、命中率と回避率が30%上昇する「見切り」というのがある。


 勿論パッシブスキルだ。常時発動型のこのスキルならば、いざという時の不意打ちなどに対処できそうだな。


 よーし、「見切り」を習得しよう。必要SPは10ポイントだ。これで残りSPは30ポイント。


 後はそうだな、ここはやはり、接近戦の雄、「インファイト」のスキルを習得したいところだな。うーむ、どうしようかな? 


 ええーい! 俺は前衛だ。「インファイト」を取ろう。


 LV1で必要SPは10ポイント、かなり高いが、その分とても強力なスキルだ。


 移動力、近接攻撃力、防御力の全てが上昇する。はっきり言ってこれ以外無い。そういうスキルだ。


 よーーし! 「インファイト」のスキルをLV2まで習得したぞ。これでかなり接近戦は有利に事を運べる様になった筈だ。


 うーむ、ここでスキルポイントを全て使い切ってしまったな、残りのSPは0だ。


 だがまあ、有用なスキルを習得したという事で、これで良しとしとこう。


 よーし、ステータスを確認してみよう。


 ジャズ  LV14  HP42

 職業  忍者

 クラス  上忍


 筋力 40  体力 35  敏捷 50

 器用 47  魔力 19  幸運 34


 ユニークスキル

 ・メニューコマンド

 ・精神コマンド 7/7 (必中 不屈 熱血 気合)


 スキル

 ・ストレングスLV5 (フルパワーコンタクト)

 ・タフネスLV5

 ・スピードLV5

 ・投擲

 ・剣術LV5

 ・身体能力極強化

 ・全属性耐性LV5

 ・見切り

 ・インファイトLV2


 経験点700点  ショップポイント2900  スキルポイント0


 武器熟練度

 小剣 120  剣 100  槍 35



 大体こんな感じになった、うーむ、流石にレベル14ともなると中々見れるステータスになってきたじゃないか。


 いや、まだまだだな。上には上が居る。ここで慢心はいかんな。更なる高みへと目指さねば。


 しかし、精神コマンドが一日に7回使える様になったのは有難い。


 新しく「気合」も覚えたし、気合は確か使用すると気力がプラス10されるんだったな。


 気力が上がれば色々といい事があったりするので、中々侮れないものなんだよね。


 まずはこんなところか。


 よーーし! レベル上げも済んだ事だし、これでまた一歩進んだって感じだな。


 勿論、上があるので、まだまだとは思うが、これでも結構強くなったと思うよ。


 だが油断は禁物だよね。気を引き締めなきゃ。


 そうこうしていると、女将さんから料理が運ばれて来た。


 カツ丼だ。旨そうだ。いい匂い。食欲をそそる。フィラも期待に満ちた表情をしている。


「はいよ、お待たせ。」


「やった! いただきます。」


「いただきます。」


 先ずは箸を使ってカツを一切れ掴む、うーん、半熟のとろとろとした卵がまたいい感じを出している。


 一口にカツを噛む、じゅわりとした肉厚のあるボリューミーな肉がなんとも堪らない。


 出汁も染み込んでいて旨い。流石女将さん、いい出汁が利いてる。


 ご飯がすすむ。旨い、そしてどこか懐かしい味。


 そうか、これ、お袋が作ってくれていた味に似ているんだ。


 だからなのか、こんなにも旨いなんて、ちょっぴり涙がでてきちゃったよ。最高だ。


 あっと言う間にカツ丼を平らげる、フィラも満足しているみたいだ、また食いに来よう。


「「 ごちそうさまでした。 」」


 フィラと二人で両手を合わせ、ご馳走様をする。


 う~~ん、お腹いっぱい。食後のお茶を啜り、人心地つく。


「女将さん、いくら?」


「カツ丼は二つで銅貨4枚だよ」


 安い、また食いに来よう。女将さんに銅貨を支払って、店を後にする。


「また来てね~」と、女将さんの声を背に、一歩外へと出てクラッチの町中に繰り出す。


 さて、休暇も残すところあと一日、何をしようかな? フィラと共に町の中を歩く。


 今日はいい天気だ。腹ごしらえもしたし、早速冒険者ギルドへと行ってみようかな。



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