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おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾


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第82話 奴隷市場 ④

 


「ああ、あああ、………………」


 フィラにエクストラヒールの巻物を使用した結果、フィラの体は完全に元の状態に治った。


「よし、上手くいった。成功だ。フィラ、体の調子はどうだ?」


 フィラに尋ねると、フィラは自身の腕や足を見て、手を握ったり開いたりしながら感触を確かめる様に動かし、足もバタバタと動かしながら体のアチコチを擦っていた。


「ああ、ああ、腕が……足が………腕が!? 足が!? また生えて、こんな、このような奇跡が、なんという、なんという幸運。なんという自由。ああ、私は、私は………………。」


 フィラは大粒の涙を流しながら、打ち震えていた。それでも笑顔で自分の体の手足が再生した事に喜びを感じているようだ。


 無理も無い、いままで片腕と両足が欠損していたんだから。


 しかし、これでフィラは自由に行動出来る様になった。


 奴隷としてフィラを買った以上は、こちらが責任を持たなくてはならないと思うが、まあ、これで取り敢えずは良しとしておこうかな。


 フィラが一通り喜びを露わにして、自分の体を擦りながら感触を確かめた後、ゆっくりとベッドから起き上がり、突然、俺の前にかしずいた。


「ご主人様、有難き幸せでございます。私が自由に動ける様になったのも、全てご主人様の優しさだと思っております。このフィラ、ご主人様のご命令ならば、全身全霊を掛けて従います。何なりとお申し付け下さい。どの様な事でも致します。どうか、何なりと。」


 フィラは俺に傅き、奴隷としての務めを果たそうと言い出した。


 まあ、嬉しい気持ちは解らんでも無いが、ここは俺も奴隷を買った目的を伝えた方がいいよな。


「ちょっと待ってくれフィラ、俺はそんな傅かれる様な上等な奴じゃないんだ。只の一般人なんだよ。」


「いえ、こうしたいのですご主人様、私がご主人様に傅きたいのです。お許しいただけないでしょうか?」


「………ま、まあフィラの好きな様にすればいいさ、でな、フィラ、俺がフィラを買った目的は、まあフィラが若い女だからってのもあるが、勿論それだけでもないんだ。」


 この言葉を聞き、フィラは顔を上げ、話を聞く様だ。


「と、仰られますと?」


「うん、俺がフィラを買ったのは、戦場で背中を預けられる奴が欲しかったんだ。俺はアリシア軍に所属していてね、任務とか仕事で危険な目に遭う事もあったりなかったりするから、そこで奴隷が一人欲しいなと思ったんだ。」


 話を聞いて、フィラは顔をパアッと明るくなり、自分が必要とされている事に喜びを感じているようだ。


「………ご主人様、私の様な只の奴隷にご主人様の背中を任せる事をお与えになられるなど、勿体無きお言葉です。どうか、どうかご主人様のお傍に控えさせて下さい。」


 ふーむ、何か知らんがえらく忠誠心が高いな。どうしたっていうんだ?


 試しに「勇気の腕輪」を外してみる、…………ふむ、特にフィラに変化は無さそうだ。腕輪を元に戻す。


「フィラ、そんな訳なんで、俺の仲間になってくれるかい?」


「な、仲間!? ご主人様の、仲間………………。」


 その時だった、突然頭の中でいつもの女性の声が聞こえた。


 {貴方に対するフィラの忠誠度が80を越えました}

 {フィラのステータスに干渉出来る様になりました}


 な、なんと、フィラのステータスにも干渉出来る様になったらしい。ちょっと試してみるか。


 フィラのステータスを表示と思う、すると。


 フィラ  HP35

 職業  アマゾネス

 クラス  ウォーリア


 筋力 C  体力 C  敏捷 C

 器用 C  魔力 F  幸運 A


 スキル

 ・幸運上昇


 スキルポイント 5


 武器熟練度

 剣 35  斧 215



 ほーう、フィラはこういう能力値表示なのか、数字ではなくアルファベット表示だな、おそらくSが一番上でFが一番下ってところか。


 クラスは間違いなく中級クラスのウォーリアだな、スキルも一つあるみたいだ。


 それにしても斧の熟練度が高いな、215か。中々やるじゃないかフィラ。


 俺が黙っている事に、フィラは何か自分に落ち度があると思い込み、慌てて平伏しだした。


「ご主人様、如何されましたか? 私に何か問題でも………。」


「いや、そうじゃない、ちょっと確認しただけだ。問題無い。ところでフィラ、俺の仲間になるという事なんだが、どうかな? 勿論四六時中付きっ切りって訳じゃないけどさ。どうだい?」


「はい、勿体無き大役、有難く思います。私の様な奴隷には荷が重いかと存じますが、ご主人様のご命令ならば、このフィラ。やってみせます。」


「う、うん、まあ、あまり気負わずに、出来る事をやっていけばいいからさ。頼むね。」


「はい! 畏まりました! ご主人様!」


 何かえらく気に入られたみたいだな、まあ、言う事を聞いてくれるってのはいい事ではあるわな。 


「ところでご主人様。」


「何だい?」


「………なさいますか?」


「う、うん? いや、やめておくよ。見た目ほど若くなくてね。」


 ベッドに二人で横になりながら、今後の事を話した。


「フィラ、俺はクラッチ駐屯地に兵舎があるから、そこで寝泊まりするが、フィラも基地で生活できる様に上に報告しなければならないと思うから、もし、それが駄目だったら、フィラには悪いけど、冒険者になって、自分の寝床と食事は自分で稼いで貰いたいと考えている。まあ、フィラのご主人様としてはどうかと思うがな。」


「いえ、私に自由をお与え下さるならば、私は存分に働きます。自分の面倒ぐらいは見れますので、どうか、ご主人様はご主人様のお仕事をなさって下さい。」


「うん、ありがとう、しかし、もし任務があれば、フィラを連れて行く事も可能かもしれないからね、その時は宜しくね、フィラ。」


「はい、勿論です、ご主人様。」


 ベッドで寛ぎながら、まったりと過ごす。このゆったりとした時間がまたいい。


 隣には美しい女性が居る。俺には勿体無いくらいだ。


 本当に奴隷を買ってしまったんだなと、思う。


 ご主人様としてフィラの面倒を見る事になった訳だが、俺にそういうのが務まるだろうか? 


 ちょっと自信ないぞ。まあフィラがしっかりしているので、心配はしていないが。


「ところでご主人様。」


「何だい?」


「………なさいますか?」


「………いや、やめておくよ。もう若くない。」


「………そうですか。」


 フィラは少し残念そうだった、もう俺は若くない、中身おっさんなのだ。


 体は若いが気持ちが年を取っている。あまりがっつくのも俺らしくないと思うし。


 しかしフィラの体は美しい。いつか頼もう。


 さてと、何時までもフィラを裸のままにしておくのは頂けない、武器などは後から武器屋で買えばいいが、問題は体の装備だ、何かフィラに合う武具は何かなと考える。


 フィラは女戦士のアマゾネスだ、動き易い服か鎧がいいよな、何がいいかな。


 防具だけはショップコマンドで見繕うかと思い、色々見ている。


 スクロールさせていくと、女性用の防具は結構ある。


 ほぼ露出しているビキニアーマーとか、体操服ブルマなんてネタ的なアイテムもあった、ふーむ、ブルマか、いいな。解っているな、このショップコマンドは。フィラに似合いそうだ。


 フィラはスタイルがいいので、ここは思い切ってビキニアーマーにしておくか。


 ショップポイントも100ポイントで買えるし、しかもマジックアイテムらしく、僅かな布面積しか無いのに防御力が40もある、どうなってんのかねえ。これ。


 よーし、早速購入、アイテムボックスにビキニアーマーが送られてきているのを確認した。それを取り出し、フィラに渡す。


「フィラ、取り敢えず裸のままって訳にはいかないから、このビキニアーマーを着てくれ、これは一応マジックアイテムだから、防御力が高いぞ。着てみてくれ。」


「はい! ご主人様が私の為にご用意して下さった装備品です。有難く使わせて頂きます。ありがとうございます、ご主人様!」


 フィラはその場でビキニアーマーを装備した。うむうむ、よく似合う。


 フィラにはやはりこういう露出度の高い鎧が似合うと思っていた。


 アマゾネスだし、いいんじゃなかろうか。


 よーし! これでフィラの鎧は決まったな、後は武器だ。武器屋へ行って買い物でもしようか。


「よしフィラ、今度はフィラの武器を買いに行こう。」


「はい! ご主人様。」



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