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そこそこのモブゲーマーが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾


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第7話 ザコキャラ転生 ⑥




 モンスターが現れた。


 目の前にワイルドウルフが現れた、自分は両手足をロープで縛られているので、身動きできない。


 (マジかあーー!!)


 このままじゃまずい! 何とかせねば! 


 しかし、今の自分に出来る事は精々モゾモゾとする事だけだ。


 参ったなあ、どうしよう。


 ワイルドウルフとはモンスターの一種で大型犬ぐらいの大きさがある。


 鋭く尖った牙による噛み付き攻撃で対象を噛み、弱らせてから捕食する狼型モンスターだ。


 普段は群れを形成しているが、今はこいつ一匹だけの様だ。


 はぐれモンスターってヤツだな。


 ワイルドウルフはこちらへとゆっくり近づき、鋭く尖った牙を口から覗かせている。


 涎を垂らしながらフーフーと呼吸し、目がギロリと睨みつけている。


 間違いなくこっちを攻撃するつもりだ。


 と、思ったらワイルドウルフは自分の少し手前にある、先程冒険者が倒したヤツの方へ近づき、ガブリッとワイルドウルフの亡骸を食べ始めた。


 共食いだ、流石モンスター、ワイルドウルフがワイルドウルフを食っているよ。


 助かった、と安心するのはまだ早い。こいつを食い終わったら次はこっちの番だ。


 その前に何とかしないと。


 しかし、これはチャンスでもある。ワイルドウルフが食事をしている間はこちらに注意が向かない。


 今の内だ、状況を打破する為、色々考える。


 そうだ! 今ここで何かのスキルを習得しよう。


 身動き取れないから魔法スキルか何かにしよう。


 火魔法なんてどうだろう、………駄目だ、森の中で火魔法は厳禁だ。


 火事になる、森の中で火魔法ダメ、絶対。


 そうなってくると水魔法なんかはどうだろうか。


 森の中で水魔法、辺りは水浸しになるだけ、うん。いけるんじゃなかろうか。


 メニューコマンドの「スキル」を表示する、と思い浮かべる。


 ………よしよし、スキル習得一覧が表示された。


 レベル1だから初級魔法しか選べないけど、ワイルドウルフの強さは精々レベル1から2といったところだ。


 初級魔法でも十分倒せる。


 スキル習得一覧から水魔法の「ウォーターニードル」の初級魔法を習得しようとして、ちょっと待てよ? と思い留まる。


 (確か、スキルポイントは10ポイントしかなかったよな。今ここで魔法スキルを習得するよりも、常時発動型のパッシブスキルを習得する為に取っておいた方がいいような気がする。それに俺の魔力の能力値は0だった筈、魔法の威力が弱いどころか魔法そのものが発動しない可能性もある。いかんいかん、焦って貴重なスキルポイントを消費するべきじゃないな。)


 あ! そうだ! ショップコマンドだ、何か有用なアイテムを購入しよう。


 確か誰でも魔法の効果が発動するアイテム、「魔法の巻物スクロール」があった筈だ。


 急ぎメニューコマンドの「ショップ」を思い浮かべる。


 ………………そうだった、………ナイフとローブしか売られていないんだった。


 一瞬、諦めかけたが、隠し要素である裏技、「隠しショップ」の存在を思い出した。


 あるコマンドを入力する事で裏技の隠しショップが出てくる筈だ。


 すぐさま小波コマンドを頭の中で入力する。


 (上上下下左右左右)


 すると、ちゅど~ん、というふざけた効果音と共に、{隠しショップが解放されました}と言う女性の声が頭の中に聞こえた。


 よーし! うまくいった。


 ゲーム「ラングサーガ」でも使っていた裏技が、こんなところでも通用するとは思いもしなかった。


 今一度、「ショップ」と思い浮かべる。


 よしよし、いいぞ、普通にやっていたのでは手に入らないアイテムの数々が売られているのが表示されている。


 雷神剣にレーバティン、ミスリルアーマーにオーラシールド。


 いずれも購入に必要なショップポイントは高いが、ちゃんと売られている。


 目移りしてしまうが、今はそれどころではない。目的のアイテムを探す。


 (あった! 魔法の巻物! 初級魔法ウォーターニードルのスクロール、一つ購入するにはショップポイント1ポイントと引き換えだ。)


 早速スクロールを一つ購入する。そしてアイテムボックスを確認する。


 よーし、ちゃんとウォーターニードルのスクロールが一つ送られて来ている。


 アイテム一覧の中に「ウォーターニードルの巻物」と表示されていた。


 よし、あとはこれをメニューコマンドのアイテムボックスから、巻物を「使用」するを選択すれば。


 アイテム、「ウォーターニードルの巻物」を「使用」と頭の中で思い浮かべる。


 すると、目の前に丸まった巻物が一つ虚空から空中に現れた。


 巻物の蝋封が剥がれ落ち、丸まっていた巻物が広げられて輝きだした。


 そして巻物が一瞬のうちに下から上へ燃え上がり、跡形も無く消滅した。


 (ど、どうなるんだ?)


 その後すぐ、目の前から水が勢いよく噴出しだした。


 目標であるワイルドウルフ目掛けて一直線に水の針が射出された。


 物凄い射出速度だ、どうやらうまくスクロールが発動したみたいだな。


 ウォーターニードルは勢いよく飛んでいった。


 ワイルドウルフの胴体に着弾、風穴を開けてそのまま水は霧散して消えた。


 「ギャインッ・・・」という鳴き声を最後に、ワイルドウルフはパタリと倒れた。


 ピクリとも動かない。



 {経験点50点を獲得しました}



 おや? 頭の中で女性の声が聞こえたぞ? どうやら経験点を得たみたいだ。


 そうか、モンスターを倒したからなのか。なるほどね。


 辺りには静けさが漂っていた。ふう~やれやれ、どうやら何とかなったみたいだな。


 これで取り合えずの身の安全は確保できたようだ。


 「あ~良かった。もう駄目かと思った、うまくいってよかった」


 ショップコマンドの有効性も実証できたし、使い方も解った。


 この場は何とか凌いだみたいだな。


 同じ様なやり方で、今度はウォーターカッターの巻物を購入して使用し、両手足に縛られたロープを切断する。


 「やれやれ、ようやく自由になれたか。そう言えばあの冒険者達はうまくやっているかな? 山賊の頭目を倒してくれればいいんだが。」


 自由に動ける様になったので、少しポエム砦の様子を見に行こうと立ち上がった。


 辺りを警戒しながら歩き出す。


 砦に向かう途中には、モンスターに不思議と遭遇しなかった。


 ポエム砦に到着して、辺りの様子を見ると、そこには四人の山賊の死体が地面に転がっていた。


 「なるほど、砦の外で戦いになった訳か。冒険者達の姿は見えないな、おそらく砦の中に入っていったんだろう」


 しかし、事態は悪い方向へと進んでいるようだった。


 しばらく様子を見ていたが、冒険者達が砦内から突然出て来た。


 一人怪我を負ったらしく、冒険者の一人が怪我をした男を担ぎながら走って逃げ帰るところだった。


 「急げ! 一時脱出だ! 早くしろ!」


 冒険者達は、どうやら山賊の頭目のポエムにやられて逃げている最中のようだ。


 砦内から追撃する様に、シミターを持った山賊の男が出て来て「一昨日きやがれ!」と息巻いていた。


 どうやら冒険者達は負けてしまった様だ。人質救出は失敗か、うまくいかないモノだなあ。


 しかし、これで山賊のアジトの場所が冒険者に特定されてしまった筈だ。


 近いうちに勇者も現れるかもしれない。


 「ここまでだな、ポエムの奴も。俺も。」


 山賊から足を洗う為、今、山賊の頭目のポエムに、山賊団を抜ける事を話そうと決心した。


 いつまでもこんな事やってられない。


 俺はポエム砦へと足を運んだ。



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