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おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾


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第45話 シスターサナリー救出任務 ④

 



「全員そこを動くな! 死にたくなければ武器を捨てて大人しくしていろ!」


 サキ隊長がこの場を掌握する為、大声で賊達に呼びかけた。


 俺の周りを賊が囲み、更にそれをサキ小隊とナナ小隊、更にマーテルさんが降りて来て賊達を包囲した。


 山賊達は手に持った武器を落として、戦意を喪失している様だ。


 流石にこれはこちらに分がある。賊達は大人しくしていた。


「ニール、リップ、メリー、ジャズ、各員この者たちを拘束しろ。マーテル殿は辺りの警戒をお願いします。」


「「「「 了解! 」」」」


「わかりました、上空に上がり警戒します。」


 それぞれが動き出し、俺達は投降した賊達をロープで縛り、拘束して一か所に集めて座らせる。


 全部で五人か、俺が二人倒してリップが一人倒したから、残りの賊は二人。


 山賊の頭目と黒ローブの男が残っている。警戒すべきはやはり黒ローブの男か。


 山賊達を集めて座らせ、武器を取り上げて大人しくさせる。


 上手く事が運んでいると思うが、さて、この次はどうなる。


 山賊達は一様に何かに恐れている様子ではある、ちょっと尋ねてみるか。


「あんた等、何だって修道院なんかを狙ったんだ? あそこには女性の修道女しかいない筈だろ。まさかとは思うが、その女が目当てだったのか?」


 すると、賊の中の一人が、俺の質問に対してこう切り出した。


「俺たちゃ何も女に飢えてる訳じゃねえ。寝ぐらに戻れば幾らでも捕まえた女がいるからな、ただよ、いい仕事があるって誘われただけなんだ。女一人殺るだけで金貨10枚が貰えるってな。」


「金貨10枚? そんな大金、誰から頼まれた仕事だ?」


「………おっと、そいつは言えねえ、言ったら俺達が殺されちまうよ。兎に角だ、そういう大物が付いているって訳だよ。わかったか? わかったらこの縄を解いて俺達を自由にした方が身の為だぜ。」


 こいつ等、何粋がってやがるんだ。


 武装して修道院の周りを取り囲んでいる時点で、既に怪しいじゃないか。


 何をしようとしていたのか、こいつ等は多分喋らないだろうな。


(するってえと、やはり山賊の頭目か黒ローブの男を捕らえるしか、情報の出所を調べる事ができそうにないな。)


 するとそこへ、山賊の頭目と黒ローブの男が姿を現した。


 何だか随分と余裕がある感じだ。山賊の頭目が捕まっている手下に声をかけた。


「てめーら何やってやがる! こんな女ばかりのアリシア軍人相手に、てめーらの腰に提げていた武器は飾りだったのか? ああん!」


「す、すいませんかしら、数の多さにビビっちまって。」


「ったく情けねえ、それにしてもマグマさん、ちょっと話が違うんじゃねえですかい、確か情報だと女が一人でやって来ると聞きやしたが?」


(はい、黒ローブの男の名前が判明、マグマさんと仰るらしい。)


 俺は片手を挙げて陽気にマグマと呼ばれた男に声をかけてみる。


「よーうマグマさん、いい天気だな。いや、曇り空か、修道院の周りを取り囲むには絶好の天気だよな。」


 俺の言葉にマグマは山賊の頭目の方を向き、「チッ」と舌打ちして睨みつける。


 睨まれた山賊の頭目は恐れおののき、しまった! というような表情をし、俯き加減だ。


 どうやら本当にマグマと言うらしいな、黒ローブの男の名前は。


「フン、これだから三下を雇うのは嫌だったんだ。金貨10枚に釣られてこんな簡単な仕事もこなせないなど。」


 黒ローブの男が何やら杖を地面にコツンと突き、魔法を唱え始めた。何か来る!


「全員警戒しろ! 何かの魔法攻撃が来るぞ!」


 俺の声に、皆は一斉に警戒しだす。何だ? どんな魔法だ?


「大地よ、震えるがよい! 《アースクエイク》」


(何だと! アースクエイクだと! 上級範囲攻撃魔法じゃないか!)


 黒ローブの男の放つ魔法は、広範囲に及ぶ攻撃魔法だ。


 地震を引き起こして対象を動けなくする、土属性魔法の上級版。これは厄介な。


「皆踏ん張れ! 地面が揺れるぞ! 屈み込んで耐えろ!」


 俺の声に全員地面に伏せる。


 その直後、地面が急激に揺れ始め、俺達どころか山賊達まで巻き込んで、辺り一帯を地震が発生した。


「う、うわ、地面が揺れてる! この世の終わりか!」


「ニール落ち着け! 只の地震だ! 踏ん張っていれば直ぐに収まる! 皆も踏ん張って耐えるんだ!」


「りょ、了解、だけど凄く怖いよ。これ。」


 確かに、揺れ方が尋常じゃない。これがアースクエイクの魔法か、恐ろしいな。


 立っていられない。屈み込んで耐えるしか出来る事が無い。


 山賊達もみんな一様に恐れている、そりゃあそうだろう。


 まさか自分達まで魔法攻撃の範囲に入っているなんてな。捨て駒にでもされたか。


 暫く揺れは続いたが、何とか皆耐えたようだ。地震が収まって来た。


 よし、完全に揺れが収まった。ゆっくりと立ち上がる。大丈夫だ。やれる。


 しかし、俺と上空に上がっていたマーテルさんだけが今動けるみたいだ。


 他の皆は、まだ地震の揺れから立ち上がれていない。


 やはり無理もない、いきなり地震を体験して、すぐさま動ける人はまずいない。


 恐ろしい現象なのだ、地震というやつは。


 俺だってまだ足元がふらついている。立っているのがやっとだ。


 しかし、更にマグマは魔法を唱え始めた。


 こいつまさか、魔法の連続使用が出来るスキル持ちか! ますますもって厄介な。


 と、そこで山賊の頭目が武器を仕舞ってこちらに歩き出した。


「じょ、冗談じゃねえ! 話が違うじゃねえですかいマグマさん。話では女が一人だけって事だったし、アリシア軍が出張って来るなんて聞いてねえよ! 俺は降りるぜ! この話は無しにさせてもらうからな! じゃあな、あばよ!」


 そう言って、山賊の頭目は一目散に逃げだした。ところが………。


「炎よ、全てを焼き尽くせ! 《ファイアーストーム》」


(何だと! またしても範囲魔法か! しかも森の中で火魔法とは!)


「皆! お互いの距離を離せ! 範囲魔法が来るぞ!」


 俺の声に、皆は這い蹲りながらも距離を離す。


 しかし、山賊達はロープで縛られているので身動き取れない。


 そこへ山賊の頭目が近づき、部下たちを解き放とうとしていた。だが。


「ぎゃああああああ!!」


 なんと、マグマの放った魔法は俺達ではなく、山賊の頭目を起点に発動したようだった。


 当然、山賊達は魔法攻撃の餌食になり、山賊の頭目諸共焼かれた。


「お、おいあんた、こいつ等は仲間じゃなかったのか?」


「仲間? 何故私がこいつ等の仲間でなくてはならんのだ?」


 こいつ! 山賊を使い捨てやがった! 


 このやり口といい、手段と目的を履き違えている事といい、まさか、こいつ。


「あんた、まさか、ダークガードか?」


 俺の質問に、マグマは「フフフ」と薄ら笑いを浮かべ、杖を地面にコツンと叩きつけた。


「あんな田舎者共と一緒にされては心外だな。」


 そこでマーテルさんが前に出て来て、マグマに相対した。


「やはり、貴方は闇の崇拝者ですね。」


(闇の崇拝者だって!? こいつが!?)


「闇の崇拝者? それって、御伽噺に出てくる、あの?」


「いえ、ニールさん、闇の崇拝者は実在します。こうして現に目の前にいるのがその証拠です。」


 やはりそうか、この力といい、やり方といい、間違いなく闇の崇拝者だろうな。


「ジャズさん、山賊の頭目はまだ息があります。ロープで拘束して下さい。その間私は、この闇の崇拝者と相対します。お急ぎを!」


「は、はい! お気をつけて!」


 俺は山賊の頭目の元まで行き、まだ息がある事を確かめる。


 うむ、確かにまだ生きてる。こいつも意外とタフだな。


 山賊の手下はやられたが、こいつはまだ息がある。早速ロープで腕を縛る。よし、拘束完了。


 マーテルさんの方を見ると、何やら剣を抜いて構えていた。


 あれは確か、サンダーソードじゃなかったか。雷の魔法効果があるマジックアイテムだ。


 あんな物を持っているなんて、やっぱりマーテルさんは只物じゃないという事か。


 ここは彼女に任せるしかなさそうだ。


 俺は、マーテルさんとマグマの相対している戦場を見る事にした。


 俺に出来そうな事は、今の所こんなもんだ。


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