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おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾


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第22話 休日の過ごし方は人それぞれ ①

 



 アリシア王国軍に入隊して、訓練課程が終了し、晴れて二等兵になった。


 いきなり任務かと思いきや、待っていたのは五日間の休暇。


 今まで訓練漬けの毎日だったので、何だかぎこちない。


 休暇って何すりゃあいいんだ? 


 そう思い、まずは飯を食いに出掛けて、女将さんの手料理に舌鼓を打つ。


 その後、あつ~いお茶でまったり過ごしている。


 今はお腹が一杯なので、各能力値上昇系アイテムは食べる事は控えた方がいいだろう。


 もう少し休憩してからだな。


「ねえ女将さん、休暇って何すりゃあいいのかな?」


 この質問に女将さんは仕事の手を一旦止め、こちらを向き溜息を一つついた。


「あんた、贅沢な事言うねえ。こっちは休みたくても休めないってのに、いいかい、客商売ってのは一日でも休むと客足がぱったり途絶えるものなんだよ。」


「そうなのか、女将さんも大変なんだね。」


「あんたさ、軍隊で訓練漬けの毎日だったんだろ? だったら体を休めるのも一つなんじゃないのかね。疲れているんだろ?」


 うーむ、疲れている訳ではないんだよな。


 スキル「タフネスレベル2」だから、体力が有り余っている感じなんだよね。


 そりゃ筋肉痛みたいなものはあるけど、ジャズは若いから一日寝ると痛みも無くなるし。


 体力も全快になるんだよな。


 まあ、だからこそあの厳しい訓練に耐えられたのかもしれないけど。


「うーん、女将さんはさあ、体力が余っている時って何しようって思う?」


「そりゃあんた、仕事以外に何があるんだい。こっちは休めないんだよ。あんたさ、そんなに体力が余ってんなら冒険者の仕事でもやってきたらいいじゃないか。うちの店に来るお客さんの中には兵隊さんもいるけど、非番の日は小遣い稼ぎに冒険者の仕事をやってる人だっているよ。あんたもそうしたら?」


 うーむ、そういう手もあるか。


 お休みだから体を休める事も大事だけど、手持ち無沙汰なのも考え物だな。


「この町って何か観光名所ってあるかい?」


「はっはっは、ここは駆け出し冒険者の町だよ。そんなのあると思うかい?」


 ふむ、観光は諦めた方がいいのか。


「冒険者かぁ………、女将さん、冒険者ギルドって何処にあるの?」


「ギルドかい? この町の中心地に噴水広場があってね、その近くにあるよ。大きな建物だから直ぐに解る筈さ。」


「ありがとう、気が向いたら立ち寄ってみるよ。それじゃあご馳走様。また来るよ。」


「毎度あり~、冒険者をやるならまず登録をするんだよ。」


 女将さんの言葉を背中で聞き、店を後にした。


 ふ~~、お腹いっぱいだ。少し腹ごなしに歩くか。


 町の中心に噴水広場があるって言っていたな、そこまで行ってみるか。


 町を歩きながら、噴水広場を目指す。


 それにしても、休暇なのに冒険者になろうとしているなんてな。


 そこまで仕事に飢えているのかねえ、俺って。


 まあ確かに金欠気味ではあるから、金を稼ぐ必要はあるけど。


 これからの行動方針はまず、冒険者ギルドに行って冒険者登録する。


 その後は状況を見て、依頼を探して引き受けるかどうかを決める。


 折角の休暇だ、楽な仕事を選ぼう、それならいいかな。


 噴水広場へと到着した。ベンチがあったので腰掛ける。


 この町は平和そのものだ。


 子供からお年寄りまで、幅広い年代の人達がそれぞれ思い思いに憩いの場で過ごしている。


 こうして見ると本当に様々な種族の人がいるんだな。


 エルフにドワーフ、見た目は人間だがケモ耳ケモ尻尾の獣人など、実に様々だ。


 少し将来の事を考えてみた。


 このまま軍に所属して、給金を貰って食っていくのは悪くない。


 だが、この体だっていつかは老いる。歳と共に体が動かなくなるだろう。


 冒険者としてやっていくのも同じ事だ。いつかは体が動かなくなる。


 そうなると、この世界で食っていく為には、普通の仕事を探した方がいいのではないのかと思ってしまう。


(うーむ、普通の仕事かあ、折角ユニークスキルを女神様から貰ったんだから、それを活かした仕事をするというのも悪くないと思うんだよね。)


 このまま兵士として仕事をしていき、お給金を貰って食っていく事。


 冒険者になり、一攫千金を夢見るのも悪くない。


 普通の仕事は、その後考えればいいかな。


 取り敢えずは今のままで仕事をしてみる事。


 お金がある程度溜まってから、スローライフを満喫するという方向でいけばいいか。


 辺りを見渡す、人が疎らになってきた。もうそろそろいいかな。


 虚空から「力のワイン」を取り出した。筋力が上昇するアイテムだ。


 これを飲む。うむ、中々の味だ。これで筋力の能力値が少し上がった筈だ。


 お次は「元気のパン」、これは体力が上昇する。


 これも食べる。うん、いける味だ。これで体力の能力値が上昇した筈。


 次は「はやてのチキン」。これは敏捷が上昇する。


 同じ様に食べる。うん、肉肉している。腹が膨れる。


 もう一ついってみよう、「器用ヨーグルト」、器用が上昇する。


 食べる。うん、甘酸っぱくていい味してる。


 もう一丁、「悟りの蜜」、コイツは魔力が上昇する。蜜を舐め取る。うーむ、甘い。


 最後、「幸運のクッキー」、これは貴重な幸運値が上昇する。


 少しずつ食べる。うん、お菓子って感じだ。


 よしよし、これで能力値上昇系アイテムは使い切ったな。


 能力値も僅かだが上昇しているだろう。


 ちょっと確認してみよう。ステータス表示と思ってみる。


 筋力 29  体力 24  敏捷 23

 器用 20  魔力 9   幸運 20


 おお! 上がってる上がってる。魔力以外20以上あるじゃないか。


 こいつはいい、能力値上昇系アイテムは各一つずつしか買えないけどね。


 これなら高い買い物をした甲斐があったというものだな。買っておいて正解だった。


 さてと、休憩もしたし、そろそろ冒険者ギルドへと行ってみようかな。


 確か、この噴水広場の近くにある大きな建物だったな。


 ………お、あれかな? 確かに大きな建物がある、二階建てで石造りの立派な建物だ。


「よし、早速行ってみるか。」


 ベンチから立ち上がろうとしたその時。


「あら? 貴方ジャズじゃないの?」


 不意に誰かから声を掛けられた。声のした方を見ると、そこに居たのは。


「あ、貴女あなたは確か、ガーネットでしたっけ?」


 ガーネットという少女が居た。


 彼女は自分がまだ山賊の下っ端の頃、傷付いた俺を助けてくれた人だ。


 回復薬を飲ませてくれた冒険者だな、一応、恩人なんだよな。


「久しぶりね、暫く見かけなかったから最初誰だか解らなかったわ。あの時と体格がまるで違うもの、痩せたの? 何だか体つきが良くなってない?」


「お久しぶりですね、ガーネットは変わりないですか?」


「いつもの事よ、冒険に仕事にお休みに、今はお休みよ。貴方は? ここに居るって事はもうお勤めは終わったのかしら?」


「ええ、もう出所しました。今の俺は王国軍の兵士をやっていますよ。今日は休暇です。」


「え!? 軍人さんなの? てっきり冒険者をやるものだと思ってたけど、あの時のジャズって、戦闘がこなせる人だと思っていたから。刑務所を出たら冒険者になるものとばかり。」


「と言っても、まだ訓練期間が終わったばかりでね、任務とかはまだ就いていないんだ。この休暇が終わった後になるかな。」


「ふ~ん、今は休暇中って事か、ねえ、だったら今すぐ冒険者登録しに行かない? 軍人さんの中にはお休み中に冒険者として仕事して、お小遣いを稼いでいる人も少なくないのよ。ジャズもそうしたら?」


「うーむ、実はそうしようと思っていた所だったんだよ。休暇といっても何だか手持ち無沙汰でね。」


「じゃあ、早速行きましょう。こっちよ。」


 この突然の出会いは、正直びっくりした。


 ガーネットの事は知らない訳でも無いので、付いて行く事にした。


 冒険者かぁ。自分に務まるかな? 


 まあ、折角忍者にクラスチェンジした訳だし、自分がどれ位やれるのか確かめるのもいいかもな。


 こうして、ガーネットに連れられ、冒険者ギルドへと足を運ぶのだった。



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