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プロローグ 公爵令嬢婚約破棄に立ち向かう

正当な悪役令嬢もの書きました。

短めで全11話。もう出来上がってますので完結まで行きます。

 それはマスカディア王国、王立学校の創立100年を祝う記念パーティで起きた。


「ルティシア! お前がリリーナに陰湿ないやがらせをしているのは分かっている! 今すぐ罪を認め、彼女に謝れ!」


 穏やかな音楽が鳴り響く会場内。着飾り談笑していた生徒達が驚き声の方を見た。

 立っているのは3人の男女。

 一人は金髪碧眼、非常に整った顔立ちをした第一王子ベッセル。

 王室ご用達の正装を見に纏った姿は様になっている。

 そしてその隣で泣きそうな顔をしながらベッセル王子にくっついているのは、水色の髪にウェーブをかけている子爵令嬢リリーナ・エレベレン。


 二人の前に立っているのは王子ベッセルの婚約者であるルティシア。

 パーティの途中で起きたイベント。

 しかも登場人物は王国の要人達。

 そんな面白そうな事柄に興味津々な周囲の生徒や貴族達の耳目を集める。


 婚約者であるルティシアは、何を言っているのかと首を傾げながら瞬きする。


「先ほどから申し上げておりますが、わたくしはそのような事をしておりません」


 淡々と喋る口調にイラついているのか、ベッセルは睨むように見ながら声を荒げる。


「しらばっくれるな! お前が陰でリリーナの悪評を流して評判を落としたり、旧校舎の近くを歩いている時に水をかけたりしたと。話は聞いているんだぞ!」


 王子の横からリリーナが泣きそうな声で叫ぶ。


「まさかルティシア様がそんな事をされるとは思っていませんでした。優しくしてくれていたのにお友達から私の悪口を言っていると聞いて愕然としました。更に水をかけられた直後、生意気だからよ、いい気味ね……と言いながら旧校舎から出ていく姿を見た方もいます」


「それは酷い」 「そんなことが?」


 周囲でひそひそと話す声が会場に響く。


 ベッセル王子がルティシアを指差す。


「そのような卑しき心の持ち主を王妃にするわけにはいかない! ましてや反撃の出来ない立場の低い者に対してあまりにも酷い! 私はお前との婚約を破棄し、リリーナと婚約をする! 命令だ、今すぐこの者を牢へ連行しろ!」


「お待ちください! 発言をお許しください」


 ルティシアが手で衛兵達を制しながらベッセル王子を見る。

 ベッセル王子は、見下すような目で見てくる。


「何だ? 罪を認め謝る気になったか?」


 ルティシアが口元に手を当ててから一度頷き、そして覚悟を決めたように顔を上げる。


「仕方ありません、証言いたします。あなた方の嘘について」


「私達の……だと?」


 生徒達や貴族達がどういう意味だと顔を見合わせる中、ルティシアは冷ややかな表情でベッセル王子達を見た。

続けてあと2話更新予定です。

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