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ここに何十種類も置いてあるのが悪い

「あ、そういう事ね。大丈夫、その値段で合っているから」

「王国と違って日本では紙の値段はビックリするほど安いんですよ。私もノートを買う時に値段を見て、その安さにビックリしましたね。えっと、たしかコンビニにもノートが売っていたかと……ほら、紙のノートは208円で売っていますよ。紙のノートがこの値段なので紙のコップの値段も間違っていない事が分かるかと」

「ほ、本当ですね……それにしても、ペン一つ取っても安いですね」


 そんな会話をしつつ、コンビニで売られている商品を入り口付近から物色していくのだが、気になる物や食べてみたい物が多すぎてとても私一人では流石に、一気に全てを試してみるのは難しそうだな、と思ってしまう。


 次くるときは何か対策を……そうだわっ! 次はコンビニへ出向いた翌日にお友達だけの小規模なパーティーを開き、みんなでシェアして一口ずつ食べれば、食べ物に関しては一気にいろんな物を試してみる事ができそうだわっ!!


 そう思えばこそ、今日は食べ物関連に集中した方が良いだろう。


 今日買ってみて良かったものをパーティーに出す事によって『全て外れ』という結果を防ぐ事ができるのだから、真剣に美味しいモノを選ばなければなりませんね……っ。


 紙のノートの話をしている時にミヤーコさんから『文房具店』という文房具専門店へ行けば可愛い文房具がいっぱい揃ていると教えてもらったし、小物類などは百円ショップという店に行けば凄い数の小物類を安く買えるとの事なので、それらは後日そちらへ出向いて買えば良いだろう。


 その為にもまずは自転車に乗れるようにしなければ……。


 そんな事を思いながら私は食べ物類をあーでもないこーでもない、これが良いかもあれも良いかもと選んでいくのだが、コンビニで売られているものの殆どが飲食類なので品数の多さに目が回りそうになる。


 それもこれも全て美味しそうな物を揃えているコンビニが悪いのだ。


 というか、今まで食べたこちらの料理全てが美味しくて、目に映るこちらの世界の食べ物全て美味しい食べ物なのだろうなと無自覚に思ってしまう訳で……。


「ダイエット中だけど、そういう時ほど見てしまったら買いたくなるし、無性に食べたくなる時ってあるよね……カップ焼きそば……。ど、どうしよう……いやでも、焼きそばのカロリーは正直言ってシャレにならないレベルだし……」

「日頃頑張っているご褒美に買ってみてはどうですか? という気の緩みが──」

「それもそうねっ!! 私、毎日頑張って学業にメイド業にと頑張っているもんねっ!! カップ焼きそば一つくらい自分へのご褒美として買っても良いよねっ!! うん、買っちゃえっ!!」

「──ダイエット失敗の……」

「え? ミヤーコさん、何か言った?」

「……いえ、何も」


 私がいろいろと物色していると、アンナがとある食べ物を買い物かごへと迷いながらも入れているではないか。


 私目線では、アンナは太っているようには見えないのだけれども、ダイエット中であるらしいのだが、それでも食べたくなるほどこの焼きそばというのは美味しいのだろうか?


 まるで本物そっくりに描かれているパッケージのイラストからは、アンナには申し訳ないのだけれども、とてもではないがただの茶色く細長いだけの食べ物で、他の物と比べると特段美味しそうには見えない。


 しかしながら、これだけ美味しそうな食べ物が周りにあるにも関わらず、更にダイエット中でもあるアンナが我慢できなくなるほどまでの食べ物……気が付いたら私も自分の手荷物買い物かごへと入れていた。


 我慢できない程美味しいかどうかは食べてみてから判断すれば良いだろう。


 値段も200円と少しなので、一つ買った所でお小遣いを圧迫するような値段でもないのだから。


「あの、一つ気になった事があるんですけれど、ここにある食べ物は全て細長い食べ物のようなのだけれども、全てに『お湯を入れて3分』やら『お湯を入れて5分』やらと書いているのは何でしょうか?」

「あぁ、それは、お湯を入れてからその時間だけ待てば食べられるという事を書いているのよっ!!」

「カップ麺は時間のない時や、夜中に小腹がすいた時に丁度いいし、美味しいですよ。ただ、美味しいからと言って食べ過ぎるとみるみる太ってしまいますから気を付けてくださいね?」

「ミヤーコはとんべーのうどんと蕎麦にハマった時期は今よりも少しこう、丸っこかったもんね」

「あれは私の意志が弱いのではなくてカツオ出汁が美味し過ぎるのが悪いのです」

「なるほど……お湯を入れただけで料理ができてしまう……しかも数分で……俄然気になってきました……」

「未開封なら数か月以上もつから長期保存でもできるよ?」


 気が付いたら私のかごの中には数種類のカップ麺が入っていた。


 ここに何十種類も置いてあるのが悪い。


 しかし、流石にこれをお友達だけのパーティーとはいえ女性だけのパーティーに出すのはどうかと思うので、もうすこしこう、可愛らしいというか女性だけのパーティーに合う食べ物でかつ美味しい食べ物を探すべきだろう。


 そんな事を思いながら食べた事のあるチョコレート類のお菓子を何種類か入れていく。


 チョコレートは確かに物凄く美味しいのだけれど、どうせならやっぱり皆さままだ食べたことの無い物が多い方が良いわよね。




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