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木枯しに抱かれて
あなたとすれ違うと、私はいつもうつむいてた。
あなたに出会ったあの日から、私の心は気付かぬうちにあなたを求めてた。
あなたの背中を見つめ、愛の言葉をささやけば、
とどかぬ思いが胸を駆け抜けて砕けるの。
でも…、
あなたは気づかない。
泣かないで、恋心。
私の心に、冷たい雨が降る。
もしも…、
もしも願いが叶うなら、神様、どうかすべてを忘れたい。
せつない片想い。
もうじき白い季節がやってくる。
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