24/32
恋の予感
「なぁ、そんなに綺麗になってどうすんだよ」
「いいじゃない。玉置君には関係ないんだから」
なぜ君はそんなに綺麗になりたいの?
どんなに誰かを待っても、星の間を彷徨い流され、夢の続きを見せられるだけなのに、夜の街が彼女を惑わす。
「かーのじょ、どう? 今、暇?」
振り返ると、そこには玉置の笑顔。
「…なんで?」
「さぁ、なんででしょう」
「でも、俺はいつものすっぴんの優子の方がいいな」
玉置が彼女の手を引く。
彼女はそのまま玉置の流れに流されていった。