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獣と共に夢の中  作者:
奏(そう)
42/60

三日目朝の会議

奏は、場を動かそうと言った。

「今日決め打ちは難しいよね。やるならローラーなんじゃない?今夜真霊能を吊っちゃったら困るじゃないか。偽が残って真を吊っちゃうって本末転倒だもんね。」

神が、言った。

「光一が黒だったのなら、二人共吊り切っても大丈夫だが、白だったなら狂人を吊っている暇が無くなるからな。最終盤面で、狂人に生き残られて居たら、勝てなくなるし厄介だ。人狼が気付かず噛んでくれたら良いが、狂人だってアピールしてるだろうし、我々にはそれを知る術がない。昨日の光一は、果たして黒だったのか白だったのか…。議論を乱したのは確かだが。」

早苗が言った。

「あの…光一さんって、希さんを見つけた時、ショックを受けたみたいに言ってたけど…。部屋から希さんが出て来てない時、凄くきびきびと私に一緒に来てくれって言ったんです。リーダーみたいに前日神さんに言われていたから、張り切ってるのかなって思ったんですけど…入って行って、希さんを見た時、そんなにショックそうじゃなかったような。私も、その時はショックで訳が分からなくて、議論の時も考えが上らなかったんですけど、今改めて思うと、そうだったなって。なのに、議論の時は急にショックだとか自分も死ぬかもとか言い出して…。おかしいですよね?普通に考えたら。」

光一は、多分やせ我慢をしていたのだろうな。

奏は、思った。神からリーダーとか言われて、舞い上がったのか何なのか、とりあえず平気なふりをしたのだろう。だが、我慢出来なくなった。

それが真相だと思われた。

征由が言った。

「確かに部屋から出て来た時は平気そうだったが、あいつはそもそも、寝てるみたいに思っていて死んでるとは思ってなかったんじゃねぇか?後から神さんが入って行って、死亡確認してやっと分かった感じだろう。」

早苗は、顔をしかめた。

「どうかな?死んでるって言われた時、私は絶句しちゃってよく見てなかったのかもしれないけど…案外、平気そうだったのは私の感想です。」

早苗は間違った意見を言っているが、それでも狼にとってはありがたいことだった。

司は、ペンを手で回しながら言った。

「…確かに…昨日はグレランで誰に集まるか分からなかったから、光一も対抗COとかも出来なかっただろうし、したところで遅かっただろうから、黒で役職に出られず死んだとしたらそうかもしれないかな…?」

奏は、言った。

「役職に出ようという感じでは無かったものね。出るなら最終の時に出られただろうし…誰が吊られてもおかしくなかったから。それに、出たら余計に吊られただろう。だって、遅すぎるんだもの。真には見えないよね。」

狐なら堪らず出ただろうしな。

奏は思って言った。神が、頷いた。

「仮に黒だったとして、占い師には四人も居たから人外が今から騙っても真目は取れないし、さすがに五人も出たらローラーが始まるだろう。出るなら霊能だが、もしそこに仲間が出て居たら出られない。とすると、私は玲史の白を知ってるから、必然的に美奈子さんが狼って事になるが…あくまでも、結果が黒だった時の話だな。白だったらまた変わって来る。玲史は私目線真か狂人となる。なので、偽だったとしたら狂人だ。美奈子さんが真で、光一が白だったら、どうなる?」

奏が、言った。

「昨日の投票先を洗います?」と、宙を見つめて、頭の中のメモを読みながら言った。「光一…11番に入れているのは3番、4番、6番、10番、13番、15番、17番の七人です。」

司が、自分のメモ帳を開こうとしている中でのことだったので目を丸くしていると、神が言った。

「では、永二、玲史、司、里美さん、良樹、亜子さん、亨だな。一人ずつ話を聞くか?」

奏は、神を見て言った。

「そうですね。この中では永二と亜子さんの話が一番聞きたいです。里美さんと良樹は発言が伸びてましたし、役職者は後で話を聞くとして…特に、亜子さんに話して欲しい。」

神は、頷く。

「そうだな。昨日も発言が全く無かったし、今日は顔色も良いのだから、光一に入れた理由を話してもらおうか。」

亜子は、名指しにされてビクッと飛び上がるように肩を揺らした。隣りの克己が、言った。

「ここで話しておかないと、怪しい位置筆頭になってしまうぞ?君は昨日、光一に入れていたがどうしてだ?」

克己は黒として出る覚悟があるので、亜子をフォローして後々黒と言われる伏線を張っているように奏には見えた。

亜子は、下を向いて震えながら答えた。

「あの…光一さんがあんなことを言い出したから、みんなパニックになったと思って。私も、怖かったのを我慢していたのに、あれで抑えきれなくて涙が出てきました。とても考える事なんて出来ない気持ちだったから。みんなあれから話が出来なかったし、乱した張本人だからと思って入れました。まさか、同じように入れてる人があんなに居たとは思わなくて…。吊られてしまったけど…。」

司は、頷いた。恐らく司も同じような理由だったのだろう。

永二も、言った。

「そうなんだよな。あれで指定が出来なくてバラバラに投票することになっちまって、多分黒は吊れなかっただろうなって思ってたんだ。何しろ、人外の方が多いんだから、黒は絶対に避けるだろ?で、腹が立って光一に入れた。そういう状況を作ったのが光一だからだ。早苗さんの話を聞いて、あいつやっぱり演技だったのかって思ったね。乱そうとした、人外だったんじゃないかって思う。つまり、黒な。だからオレは、光一に入れたヤツはみんな白いと思うし、玲史が真だと思ってる。」

気付いていないかもしれないが、自己弁護のつもりで亜子を庇うと黒結果が出た時自分も黒くなるぞ。

奏は思っていた。

司は、永二を見た。

「オレも…せっかくいい感じに話を聞けてたのに、光一が台無しにしちまったって腹が立って決めたんだ。でも、まさか吊られるとは思ってなくて。それでも、黒が吊れてたんならいいなとは思ってるから、玲史を信じたい気持ちではある。」

里美が、言った。

「という事は、みんな美奈子さんが偽だと思っているの?だったら、今日は美奈子さんでも良いかもしれないけど。」

奏は、霊能はまだ縄消費に残しておきたいと、言った。

「いや、まだ決め打ち出来るほど情報が無いから。もし霊能に手を掛けるんなら呪殺出来る事を信じて吊り切るのが良いと思うよ。絶対人外が一人落ちるからね。」

美奈子は、金切り声を上げた。

「何でよ?!私は真なの、光一さんは白だった!私から見たら光一さんに入れたヤツはみんな怪しいわ!光一さんは、素直に自分の気持ちを言っていただけで、別に乱すつもりなんて無かったんだと思うわ。一番人間らしかったんじゃないの!」

司は、顔をしかめた。美奈子から見たらそうなるのかもしれないが、村目線からでは違う。

昴が言った。

「ねえ、じゃあやっぱりグレーから行く?」皆が昴を見ると、昴は続けた。「ほら、帆波さんが襲撃されてるから。オレと、征由なんでしょ?どっちもグレーだし、どっちかを吊ってどっちかを占うんで良いんじゃないの?」

司の顔色が変わる。やはり昴が狩人なのだろう。だが、昴としては狩人ではないとアピールしたくて自分を投票対象に上げるような事を言っているのだと思われた。

奏は、言った。

「うーん、今のグレーは、弘、克己、亜子さん、征由、昴の五人だけだよね。確かにこの中から吊って、この中から占ったら結構詰まって来そうだよな。真占い師は、少なくても一人、上手く行けば二人生きてるんだ。色がついてくだろう。」

亨が、言った。

「他の占い師が占った所も今夜は指定先に入れてくれるんだろ?オレは神さんが相方だと思っているから、渚さんが占った場所から指定入れておきたいんだ。」

奏は、わざと顔をしかめた。亨の焦りは分かるが、その言動は怪しい。それを村に印象付けるには今がうってつけだ。

「それって早苗さんだよね?さっきからめっちゃ占い指定占い指定って煩いけど、どうしてかな?もしかして、相方を囲いたいから先に指定しておきたいとかじゃないのよね?」

渚が、ムッとした顔をしていたのだが、それを聞いて手を叩いた。

「確かに!最初からめちゃくちゃ指定したがってたものね。昨日は逃れたかもしれないけど、今夜は黒か狐に当たる確率高くなるもんね。真占い師に取られちゃ敵わないって、慌ててるんじゃないの?」

亨は、珍しく顔を赤くして言った。

「違う!呪殺を出して、真を確定させたいんだ!今のままだと、君達が全くオレの言う事を信じてないじゃないか。真占い師を確定させて、村を自分の思う通りに動かしたいからだ!」

村を思う通りに動かしたいのは狼も同じなんだよねぇ。上手くやらないと、言っちゃったらまずいよねえ。

奏は、心の中で嘲笑った。狼目線では亨は真なのに、その狼にも黒く思わせる。

村が顔をしかめたところで、神は言った。

「まあ、私は皆に任せる。占い師など所詮村の道具だ。決めるのは村人達であって私ではない。狼も、今夜は占い師を噛まないだろう。既に一人消して、後は吊り縄消費に使いたいだろうからな。亨ももし真占い師なら、人狼につけ込まれないように発言には気をつけた方が良い。必ず人外が居るのが分かってるのだから、村人に疑われたら吊られるぞ。村の役に立つことを考えて、行動した方が身のためだ。」

亨は、ぐ、と言葉を詰まらせた。

「それは…確かにそうだが…。」

神は、ポンと膝を叩いた。

「では、朝はここまでにしよう。顔色がまた悪くなっている者も居るし、立て直した方がいい。各々しっかり考えて、次は何時に集まる?司。」

確かに亜子が、今にも卒倒しそうな顔をしている。

司もそれに気付いて、言った。

「…じゃあ…みんな考えをまとめて、次はお昼ご飯を食べて、十三時からで。役職者も合わせて全員の話を一人一人聞くよ。そこから最終的にどうするのか、決めて行こう。」

そうして、三日目の朝の話し合いは終わった。

亜子は美奈子や早苗に気遣われて、ふらふらとした足取りでそこを出て行く。

今夜は亜子さんかなあ。

奏はそう思いながら、その背を見送ったのだった。

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