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獣と共に夢の中  作者:
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四日目の朝へ

奏たちが戻って来て、司は言った。

「じゃあ、占い先を決めよう。渚さんがあんな様子だったから、決められないんだけどな。」

神が、息をついた。

「征由を占うと言っていた。仕方がないから、渚さんの指定先は征由にしよう。黒を打たれるかもしれないがな。」

征由は、肩をすくめた。

「みんなそう思ってる。という事は、その黒の効力はあんまり強くないと思うけどな。」

司は、残ったグレーを見た。

「じゃあ…神さんは、昴、亨さんは…弘にする?克己?」

神が言った。

「両方亨に振り分けてどっちか決めさせたら良い。私は昴と、渚さんの白先の早苗さんを指定させてもらうよ。あれだけ私に突っかかって来るから、彼女の真贋がますます怪しくなっているのでね。どちらかを占おう。」

司は、頷いてため息をついた。

「渚さんの態度は、もし真だとしても許せるものじゃないですよね。ついイライラして、あんなことを言ってしまいましたけど。」

神は、息をついたが答えない。良樹が、言った。

「ああいう態度を取ったらまずいって分からないのかな?今夜吊られた亜子さんだって、もっと発言してたら、頑張ってる様子だけでも白が拾えたかもしれないのに、最後は渚さんが必死に自分を庇ってるのに黙り込んで。あれじゃ自分から吊られる理由を作ってるようなものだ。」

玲史が、言った。

「もう、死んだ人の事は悪く言うのはよそう。それより、明日だ。今夜結果が分かるから、今日はもう休んで明日に備えよう。」

対抗霊能者の美奈子でさえも、それには反対しなかった。

皆は、もう慣れたようにキッチンへと立ち寄って、夜の分の食べ物と飲み物を手に、それぞれの自室へと引き揚げて行ったのだった。


神は1号室、司は6号室なので、向かい合い、一番端になる。

最後二人きりになった時、神は言った。

「司、まだ時間はある。」司は、何か話したいのかと神を見た。神は、小声で言った。「人狼は私を噛めなくなった。黒塗りして吊り縄消費に使うしかないのだ。土壇場までは噛んでは来ないだろう。狩人に、私ではない場所を守れと言って来い。皆部屋に入ったから、静かに行けばここの防音機能の高さなら大丈夫だろう。」

司は、躊躇った。でも、狂人だったとか言って噛みに来るかもしれないのに。

「危ないですよ。今夜守れるなら、神さんを守ってもらった方がいいんじゃ。」

神は、首を振った。

「私を噛んだら自分が吊られるからだ。恐らく、人狼は渚さん…もしくは、亨。まあ、亨は狂人っぽいなと今日思ったのだがね。」

司は、焦って言った。

「そんな!待ってください、まだ確信がないんでしょう?もし渚さんが狂人で、狼が占い師を全部吊ろうと神さんを噛んだらどうするんですか?」

神は、首を振った。

「今も言ったように、吊り縄を消費しなければならないのだ。恐らく狼の数が減っている。とにかく、時間がないから行って来い。」

司は、階段の方を見た。昴…。

「…狩人はとてもよく考えてるので。いちいち言いに行かなくても、大丈夫だと思います。」

神は、苦笑した。

「…昴だろう?」

司は、仰天した。神は、狩人の位置まで分かるのか。

「え…。」

司が絶句していると、神は続けた。

「消去法と、君の知った最初の動きで何となくな。まあ良い、では狩人に任せよう。君の判断に任せるよ。」

神は、そう言うと部屋へと入って行った。

取り残された司は、呆然としていた。バレていた…でも、人狼は昨日帆波を噛んだ。

知っていたら昴を噛んだはずだ。ということは、神は狼ではない。

司は、部屋へと入りながら、どうか生き残ってくれと心の底から祈っていた。


次の日の朝、すっかり早起きになっていた司は、しっかり5時には目を覚ました。

今日も生きていた幸せを噛み締める暇もなく、急いで顔を洗う。

…神さんは、無事だったのだろうか。

司は、気になって仕方がなかった。

6時を扉の前で待ち構えていた司は、閂が抜ける音と共に扉を勢い良く開いた。

目の前の1号室へとすぐに目をやると、神が同じように扉を開いてそこに立っていた。

「司。無事だな。」と、廊下を見た。「さあ、点呼だ!1!」

隣の奏が叫ぶ。

「2!」

奏も無事。

そうやっていつもの点呼が進んだ時、弘の声の後、里美が暗い顔で言った。

「…10。」そして、弘を見た。「渚さんが居ないわ。」

弘が、身を固くする。

司は、どういう事だと狼狽えた目で神を見ると、神はそちらへ歩いて行きながら言った。

「ノックして入って見てくれないか。」

里美が体を震わせると、弘が察して、渚の部屋の扉を叩いた。

「渚さん?入るよ。」

そんなノックじゃ中には聴こえてないかも。

司は思ったが、死んでいるならどちらにしろ聴こえない。

なので、何も言わなかった。

「渚さん?」弘は、扉を開いたまま、中へと足を踏み入れた。「朝の点呼だぞ?」

すると、渚の怒鳴り声が聞こえた。

「うるさいわね!私はまだ寝ていたいのよ!入って来るな!」

その声は、廊下にまで漏れて来ていた。

里美が、ホッとしたように後から入って来て、言った。

「ほら、確認に行かなきゃ。二階はみんな無事だったわ。三階…、」

そこまで言った時、三階から克己の声が叫んだ。

「おい!来てくれ!死んでる…二人死んでる!」

「ええ?!」

二階の皆が叫ぶ。

「…行こう。」

神は、階段を駆け上がって行った。

渚も含めた、全員がそれに倣って急いで階段を上がって行った。

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