【番外編】
朝食兼昼食の温かいお味噌汁の香りが漂う中、リビングの特等席は由梨恵とアリッサが占拠していた。
二人は僕の両腕にそれぞれしがみつき、優先的に甘える権利を行使している。
「勇太くんともうすぐ離れないといけないなんて、つらいよぉ」
「今のうちに、たっぷり充電しておきませんと。ああ、ユータさん……♡」
由梨恵が涙目で頬をすりすりと押し当ててきて、アリッサが熱っぽい吐息を漏らしながら僕の腕を抱え込む。
柔らかな肌の感触と、甘いシャンプーの香りが鼻腔をくすぐった。
みちると芽依さん、そしてこうちゃんは、そんな二人を少し離れた場所から見守っている。
由梨恵とアリッサは、この中で最も多忙を極める身なのだ。
次にいつまとまった休みが取れるか分からないため、他の陣営はぐっと我慢してくれているらしい。
「もっともっと、いーっぱい、注いでくれても良かったんだよ……?」
「ですわ……♡ 遠慮なんていりませんのに」
由梨恵が上目遣いで目を潤ませ、ぷくっと可愛らしく頬を膨らませる。
アリッサも妖艶な微笑みを浮かべ、熱い視線を絡めてきた。
「え、そう? じゃあそうだね。今のうちに愛情をたっぷり注いでおこう!」
「ぎゅーっ!」
僕は二人の言葉を素直に受け取り、両腕に力を込めて力いっぱい抱きしめた。
肌の温もりを直接伝える、純度百パーセントのスキンシップだ。
すると、ソファでコーヒーを飲んでいたみちるが、ガックリと項垂れた。
「いや、勇太。絶対にそうじゃないと思うわよ」
「え?」
みちるが呆れ果てたように天を仰ぎ、盛大にのけぞる。
僕がきょとんとして首を傾げると、腕の中にいる二人の体温が、さらに危険な熱を帯びたような気がした。
【おしらせ】
※2/25(水)
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