【番外編】
全員が泥のように眠り、目を覚ましたのは、太陽が中天を過ぎた正午過ぎのことだった。
キッチンから漂う味噌汁の香りに釣られ、美女たちがゾンビのようにリビングへ這い出してくる。
「ふわぁ……。おはよう、勇太」
みちるがとろんとした目で欠伸を噛み殺し、気だるげに伸びをした。
その仕草だけで、昨晩の激闘を物語るような色気が溢れ出ている。
彼女は僕が作った朝食(兼昼食)を一口啜り、ふと思い出したように言った。
「そういえば、雪さんが言ってたわね。……お義父様も、とんでもない体力バカだったって」
「あ、言ってた言ってたー! なんか、どれだけ動いてもすぐ回復する? 謎パワーがあるとか!」
由梨恵が食パンをかじりながら、激しく同意する。
二人して僕の顔をまじまじと見つめてきた。
まるで、新種の未確認生物を見るような目だ。
「謎パワーって……。僕はただ、寝付きが良いだけだよ」
僕が苦笑して誤魔化そうとすると、テーブルの上でこうちゃんが呆れたように尻尾を振り、流暢なロシア語で呟いた。
『この作品の主人公は、異能者二人の孫。彼は最強の異能者たちの、異能をついでおり……』
「え? なに?」
突然の外国語に、僕はきょとんとする。
こうちゃんは僕の反応などお構いなしに、早口でロシア語をまくし立てた。
『無自覚で体力回復する呪禁を体得してるのだ。呪禁っていうのは、あれだ、呪術回●の反転術式だ』
「……なんて?」
僕は首を傾げる。
こうちゃんが得意げに語っているのは分かるが、悲しいかな、僕にはさっぱり意味が分からなかった。
だが、女性陣は言葉の意味など関係なく、その場の空気だけで盛り上がっていた。
「よく分かんないけど、やっぱり勇太くんは凄いのね!」
「すごすぎる……。まさに永久機関……!」
みちると由梨恵、そして芽依さんたちが、キラキラした瞳で僕を凝視する。
その視線には、畏敬の念と、そして僅かながら「また夜が楽しみ」という期待の色が混じっていた。
「さっすが勇太くん! やっぱり桁外れなのね!」
「わたくし、一生ついていきますわ♡」
「え、あ、いや……そんな、褒められるようなことじゃ……」
美女たちに包囲され、口々に褒め称えられる。
僕は居心地の悪さに頬を赤らめ、頭をポリポリとかくしかなかった。
「てへへ……」
照れ隠しに笑うと、再び甘い空気がリビングを包み込むのだった。
【おしらせ】
※2/13(金)
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『過労死した元社畜が悪役令嬢に生まれ変わり、辺境のブラックギルドで仕事をしない「お飾りオーナー」として安眠生活を送るつもりが、なぜか部下から「冷徹なカリスマ」と慕われる最強の支配者に』
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