【番外編】
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
食後。
僕は広々とした湯船に浸かり、一日の疲れを癒やしていた。
このシェアハウスには、ペンション並みの広さを誇る大浴場がついている。
みんなで住むとなったときに、内装を工事したのだ。
足を伸ばして肩までお湯に浸かれば、執筆の疲労も溶けていくぅ~……。
「ふぅー……。極楽極楽」
思わず親父臭い声が漏れる。
湯気で霞む天井を見上げ、僕は大きく息を吐いた。
チャプン。
不意に、すぐ隣で水音がした。
「……ん?」
横を見る。
いつの間にか、湯船の中に「謎の物体」が浮かんでいた。
タオルを頭に乗せ、水面から目だけを出してこちらをジッと見つめる小柄な影。
天才イラストレーター、こうちゃんだ。
『ぶんぶんへローゆーつーぶ』
「うわぁああ! いつからいたの!?」
僕は思わず叫んで湯船の中で飛び退く。
こうちゃんは無言のまま、コクンと首を傾げた。
どうやら、僕が体を洗っている間に、忍者の如く侵入していたらしい。
『拙者神出鬼没キャラを、別作品でも演じてますゆえな!』
相変わらず気配がない。
というか、ここ男湯(仮)なんだけど。
男女兼用とはいえ、一緒に入るのは教育に良くない気がする。
「あー、勇太君! ちょっと、鍵閉めないでー!」
脱衣所の方から、由梨恵の抗議の声が聞こえてきた。
ドンドンドン! とドアが叩かれる。
「ダメよ由梨恵。勇太さんがゆっくりできないでしょ」
「えー、だって一緒に入りたいんだもん! 背中流したいんだもん!」
「ふふ。それは私も同じよ。ねえ、みちるさん?」
「うぇ? ま、まあ。今日の勇太はお疲れのようだから、マッサージでもして差し上げよっかなーと」
アリッサとみちるの声もする。
さらに。
「私も混ぜなさいよ。担当編集として、作家の健康管理も仕事のうちよ~」
既に出来上がっているのか、少し呂律の怪しい芽依さんの声まで混じっていた。
脱衣所および風呂場には、全員が集合していた。
この浴場は広いが、流石に大人五人が入ると芋洗い状態だ。
というか、定員オーバーだ。
「……定員は、あと二名ですね」
脱衣所で、アリッサが冷静に分析する声が聞こえる。
え、入ってくる前提なの?
「勇太さんの左右を誰が確保するか。……勝負よ」
「望むところだよアリッサちゃん! 国民的声優のじゃんけん力、見せてあげる!」
「あんたら、近所迷惑になるからあんまり騒がないでよ?」
「大人の駆け引きってやつを教えてあげるわ」
ゴクリ。
脱衣所の空気が張り詰めるのが、壁越しでも分かった。
世界的なクリエイターたちが、全霊を賭けて挑む遊戯。
それは――。
「「「「最初はグー! じゃんけん、ぽいッ!!!!」」」」
気合の入った掛け声が響く。
「きゃああああああああ! 負けたぁあああああ!」
「くっ……みちる、強いわね……」
「よっしゃあああああああああ!」
「っしゃあ! 大人の勝利!」
悲喜こもごもの叫び。
どうやら勝負は決したらしい。
ガララッ!
勢いよく浴室の扉が開く。
バスタオルを巻いたみちると、ビール瓶を持ったままの芽依さんが、勝者の凱旋の如く入ってきた。
「お待たせ、勇太♡」
「背中、流してあげるわよ~」
「いや、あの、ちょっと」
迫りくる美女二人。
脱衣所で泣き崩れる敗者二人。
そして、我関せずと湯船でプカプカ浮かんでいるこうちゃん。
カオスだ。
僕の安息のバスタイムは、こうして賑やかに泡と消えたのだった。
【おしらせ】
※1/30(金)
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