【番外編】
なんとか宥めてすかして、こうちゃんのやる気スイッチを強引にオンにした。
『うぉおおおお! 仕事ばりばりーーーーーーーーー! ばりばりばりばり!』
凄まじい雄叫びと共に、こうちゃんが液タブとキーボードを蹂躙し始める。
カカカカカッ! シュババババッ!
残像が見えそうな速度で、モニターの中に神懸ったイラストが生成されていく。
「ゆーくんいつも大変ねー。こーちゃんのお世話係」
その様子を見て、芽依さんが呆れたように苦笑する。
「まー、一応カノジョなんで」
俺は肩をすくめてみせた。
『いちおうってなにさっ? 神作家のメインヒロインは我ぞ!?』
地獄耳のこうちゃんが、作業の手を止めずに噛みついてきた。
「ははは。なにいってるのかさっぱりだー」
『それマジで聞こえないのか、ロシア語だからわからないフリしてるのか、どっちなんだい!? ねえ!? マジだったらこうちゃん泣くぞ? シベリアの大地で泣いちゃうぞー!』
ロシア語(という設定)なので、なにいってるのかわからないや。
「はいはい、口じゃあなくて手を動かそうね」
『口も手も動かしてるぞー! 配信者こうちゃんなめんじゃねえー!』
こうちゃんは頬をぷくーっと膨らませて抗議しながらも、ペン先を正確無比に走らせている。
ギャーギャー喋りながらでも、吐き気がするほど可愛い絵が、魔法のようなスピードで出来上がっていく。
本当に、手先だけは器用だなぁ。
どうしてこの集中力が、いつも発揮されないんだろう。
「どうしてこれが、いつも発揮されないのかしらね」
「どうしてでしょうね」
俺と芽依さんは顔を見合わせ、同時に深い溜息をついた。
【お知らせ】
※12/27(土)
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『【連載版】スキル【リサイクルショップ】で捨てられた悪役令嬢(英雄)や神器を仕入れて修理したら、いつの間にか最強国家になってました 〜捨てられ貴族の楽しい領地改革〜』
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