202話 落着
僕らはお台場の室内アミューズメント施設へとやってきてる。
ここは、デジマスの世界を疑似体験であるという施設だ。
ここの目玉は、施設内がデジマスの舞台になってることもそうなんだけど、スタッフ全員がデジマス世界の住民になってることだ。
で、僕らはデジマス世界の悪役に捕まっている(もちろんただの、イベント、ごっこ遊びといってはアレだけど)。
モヒカン男に捕まった僕はぜったいぜつめいのピンチ。
一緒に来ていたみちるは青い顔をしてハラハラしていた。
大丈夫、と僕は笑って見せた。だって、この先の展開も知ってるから。
「そこまでだ!」
どこからか、男の声が響き渡る。
悪役どもがホールを見渡す。
すると、ホールを見下ろせる位置に、一人の男が立っている。
その茶髪の青年は……。
「リョウだ!」
そう、デジマスの主人公、リョウ(のコスプレをしたスタッフ)。
リョウが僕らのことを助けに来たのである。
「ひゃはー! 現れたなぁリョウ!」
「彼らを離せ!」
「断る!」
まあそうなるよね。
リョウは高い位置から、ばっ! とジャンプする。
2階くらいの高さから華麗に着地。
そして、悪役達と乱闘が発生する。
「ふ! は! せい!」
リョウは敵をばっさばっさと、素手でやっつけていく。
リョウは闘気という、特別な力を使える(設定)。
敵は凄い勢いで吹っ飛んでいく。
わー、すご。まるで本物の戦闘を見てるようだ。
「くそぉお! おぼえてろぉお!」
ドクガたち悪役はすごすごと退散していく。
人質にとられていた人たちは解放される。
「これにて一件落着!」
とリョウが言うと周りにいた人たち(僕含む)が拍手する。
みちるは心からの安堵の息をついていた。
イベントが終了すると、みちるが僕の元へ駆け寄ってきた。
そして、抱きしめてくる。
「ど、どうしたの?」
「ぐす……よかった……無事で……」
みちるってば、これは単なるイベントなのに。どうやら、彼女は心の底から心配してくれていたようだ。
……ああ、うれしいなぁ。
僕のこと、こんなに思ってくれるなんて。
大好きな人が、こんな風に……。
「ごめんね、心配かけて」
「……ううん。いいの」
みちるが笑顔を見せてくれる。
僕は彼女が愛おしくてたまらず、ぎゅっと抱きしめてしまうのだった。
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