194話 からかい
僕はみちるとお台場にデートに来ている。
このデートでプロポーズするんだ!
でもいきなりはだめだ。ちゃんとムード作らないとね。
まずは楽しい気持ちになってもらおう。
「で、どこに行くのこれから?」
隣を歩くみちるが尋ねてくる。
普段も可愛いけど、今日は芽依さがお化粧してくれたからか、大人びてることもあって、可愛いと言うより綺麗な印象を受けた。どきどきしちゃう。
「勇太?」
「あ、ごめん」
「なにぼーっとしてるのよ、もう」
「みちるが綺麗だなぁって」
「は、はぁ!?」
みちるが顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ちょ……綺麗とか……やめなさいよねぇ~……♡ もぉ~……♡」
みちるすごいうれしそう。
彼女が笑っていると、僕も気持ちが上向きになるんだ。
「じゃあもう綺麗っていわなくてもいいの?」
「うぅ~……勇太のいじわる」
「あはは、ごめんね。嘘だよ」
「もうっ! 勇太のアホっ」
幼なじみとのやりとりはとても心地よくて、一緒にいるだけで幸せな気持ちになる。
だからこそ、僕はこの子とずっと、一生一緒にいたいっておもうんだ。
「で、どこに行くか……だっけ。まずは……【イマーシブフォート・カイダ】ってとこ」
「いまーしぶふぉーと……?」
聞き覚えの無い単語に、みちるが首をかしげる。
まあそうだよね。僕も芽依さんに教えてもらわなかったら、多分一生気づかなかったかも。
「テーマパークだよ」
「ふーん……わかった。じゃあ、案内よろしく」
「了解」
ということで、僕は東京テレポート駅を出て、イマーシブフォート・カイダってところに向かうことになったのだった。




