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【完結】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い  作者: 茨木野
第5章

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189話 編集部にて



 デジマスを超える作品を作る!

 そう決意した僕。


 急いで芽依さんに連絡を取り、僕はとある場所へとやってきていた。


「ゆーくん。おつかれ~」

「芽依さん! お疲れ様です!」


 ここは六本木にある、SR文庫の社屋。

 編集部の隣にある、ミーティングルームだ。


「部屋、抑えておいたから。好きなだけ使ってね!」

「ありがとう!」


 ……僕は芽衣さんに頼んだのだ。

 集中して、執筆できる場所を提供しいて欲しいって。


「少し時間もらえれば、高級ホテルの最上階とか、バリバリ用意できたよ? ここでいいの?」


 高級ホテルて。

 いやいや。


 僕なんかのために、そんなお金を使わせるのよくない。

 だってこの作品、書籍化する予定は今のところない。


 ただ……みちるに、読んでもらいたい。それだけなんだ。


「いえ。個人的な作品を作りたいんです。SRにお金出してもらうわけには……」

「気にしなくて良いのに。君は、たくさんこの会社に貢献してるんだから。デジマスとか、僕心ぼくこことかで」


「でも……やっぱり迷惑かけたくないです」

「ふーん……そか」


 芽依さんはうなずいたあと、ニカッと笑う。


「わかった。ゆーくんの意見を尊重するよ」

「ありがとう。てゆーか、急にごめんなさい。部屋用意させて」

「気にすんなっ」


 芽依さんが椅子を牽いてくれた。

 僕はうながされるまま、座る。


「あ、パソコン忘れた……」


 手ぶらできちゃった。


「こちらにパソコン用意してます」

「なんと! 用意の良い」

「できる編集ですからなっ、なーんてね♡」


 うーん、相変わらずできるお姉さんだ……。

 家に取りに帰る時間がおしいので、借りることにした。


「でも……びっくりしたよ。デジマスを超える作品を作るってさ。しかも……みちるちゃんのためだけにって」


 芽依さんにはラインで、あらかじめ事情はつたえてある。


「超えられる? あんな凄い作品……」

「超えます」


 即答できたことに、僕自身……驚いていた。

 でも、超えないとだめなんだ。


「デジマスは、みちるの孤独を紛らわせるために、描いた作品です。でも、今はそれじゃ不十分なんです。みちるに、永遠の愛を伝える作品なんです。デジマスを、超えないと」


 芽依さんは目を丸くする。

 やがて……ふっ、と微笑む。


「わかった。期待してるよ、ゆーくん♡」


 そう言って芽依さんが出て行く。

 どんな内容なのかとか聞いてこなかった。


 僕のやりたいことを、彼女はいつも邪魔してこなかった。

 そして凄い本にしてくれて、たくさんの人に届けてくれた。


 無言で、たんたんと、僕のために……。そんな彼女のことも……。


「ありがとう、芽依さん。大好きだよ」


 芽依さんが立ち止まって、顔を真っ赤にしながら言う。


「サブキャラ攻略ルートは、メインシナリオをちゃんとクリアしてからになさい♡ ばーい♡」


 芽依さんが出て行く。

 ちょっと意味はわからなかったけど、みちるのために全力を尽くせって言われてる気がした。


『あ、もしもし啓介? どうしたの電話してきて? 報告って……え、異世界……? あはは、何言ってるのバカなの……? え、冗談じゃなく……? え?』


 扉の向こうで芽依さんが誰かと電話していた。

 まあ多分私用の電話だろう。邪魔しないでおこ。


「よし……書くぞ……デジマスを超えた、スーパーデジマスを!」

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 勇太がカバン勇者と、既に知り合いで、 更に話が向こうの世界と平行線をたどっていて、 テンション上がった。
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