178話 子供問題
僕んちのリビングにて。
「あとはみちるんが合意するだけだよ!」
由梨恵がニコニコしながらみちるに言う。
日本でも一夫多妻やってる人がいる(法的に認められてないけど、養子に入ることで関係を構築してる)。
僕もそうしたいけど、みちるは頑として認めない姿勢を保っていた。
「やっぱりよくないわよ。だいいち! こ、こ、子供とかどうするのよっ!」
子供……。
確かに、戸籍上、養子となった女性と、子供って作れるんだろうか……?
そもそも、作ったとして、法律的にはどういう扱いになるの?
そもそも認められるのかな……ううん……。
「あんたらだって勇太の子供欲しいでしょ?」
すると三人が小首をかしげる。
「私は勇太君のそばにずっとずーっと居られれば、それでOKだよ!」
と由梨恵。
「こうちゃん子育て無理ゲーだから。今でも、子育てしてもらってるガワの人間だから」
とこうちゃん。
「あたしはゆーくんが一番良い形がいいとおもうよ」
と芽依さんは中立の立場。
「え、ええ、ええ……? 子供ほしくないの!?」
「まあほら、みーちゃん。今はほら、多様性の時代だからね。結婚=子供もセットってわけでも、ないからさ」
皆との愛の証が欲しくはある。
けど一番は、皆とずっと側にいること、家族になることが目的だから。
子供が必ずしも欲しいわけではない。
もちろん、欲しい気持ちがゼロじゃないし、できたら精一杯愛してあげるつもりではあるけど。
「つまり、みちるんが結婚して、ゆーくんと子供を作れば良いよ! 私たちは養子ってことでいいし!」
うんうん、と由梨恵、こうちゃん、芽依さんがうなずく。
「みちるんと勇太君の子供なら、私いっぱいかわいがるよ!」
『子供とのゲームなら任せておけ。いつでもゲームするよ』
「SR文庫育休も普通にとれるし、みちるちゃんが子供産んでも大丈夫よ。サポートから」
みんな……!
なんて協力的なんだ……!
みんなが僕と一緒にいるために、頑張ろうとしてくれる。
それが……すっごく嬉しい!
「え、ええー……うう~……」
みちるがたじろいでいる。
『ほらほらみちる姐さん、外堀うまっていってますぜ? ハーレムいけんじゃね?』
つんつん、とこうちゃんがみちるの脇腹をつつく。
「ま、まだよ! こ、子供作るとして……だ、大家族になるでしょ! そんな養えるだけのお金が……」
みちるが、僕、由梨恵、こうちゃん、芽依さんを順々に見る。
お金がなんだって?
ポンッ……とこうちゃんがみちるの肩を叩く。
『旦那、神作家。養子1、超人気声優。養子2、超売れっ子美少女イラストレーターVTuber。養子3,敏腕編集。養子4、国民的超人気歌手。……お金に困る未来が見えないのはこうちゃんだけですかね?』
うぎぎぎ……とみちるが歯がみする。
「みちるほら、僕らの前に障害はほとんどないよ! あとは君が合意するだけ」
と、そのときだった。
「……ただいま帰りました」
「アリッサぁあああああああああああああああああああ!」
みちるが立ち上がって、アリッサの元へ駆けつける。
「あんただけよ! 味方は!」
「……何をおっしゃってるのです?」
困惑するアリッサ。
『確かにアリッサは、かみにーさまと子供欲しいとか言ってたはず。これは荒ーれーるーぜー、止めてみな……!』
こうちゃんがカッコいいポーズとともに何か言っていた。(スルー)
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