127話 編集の弱音
【★☆★読者の皆様へのお知らせ★☆★】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
「あたしね、おばあちゃんっこなんだ」
僕の編集の芽衣さんが、ぽそっと言う。
その表情はどこか疲れているように見えた。
それもそのはず、彼女は過労で倒れてしまったのだ。
今、彼女は僕のベッドを使ってる。
「親が早いうちから離婚してね、長野の実家に一時期いたんだ。お母さんが忙しく働いてるから、ずっとおばあちゃんがあたしのこと育ててくれてたの」
「大事なおばあさんなんですね」
「うん……そのおばあちゃんがね、こないだ……入院しちゃったんだ」
「入院……って、大丈夫なんですかっ!? 悪い病気なんじゃ……」
ううん、と芽衣さんが首を振る。
「たいしたことないって。こけた拍子に、こしぶつけちゃったくらい」
「そ、そうですか……良かった……」
「うん……良かった。でも……」
芽衣さんがぎゅっ、と唇をかみしめる。。
言葉が出てこない。言いたくないんだ。多分……ここからのことは、とてもデリケートな部分に触れることになる。
僕は……芽衣さんの手を握った。
「先生……」
「大丈夫です」
「…………」
芽衣さんが僕の目を見て、でも、気まずそうに目をそらす。
「……おばあちゃんが入院したってきいて、あたし……仕事やめたくなったの」
仕事を辞める。
それは編集をやめるっていうこと。
デジマスも、僕心も、アニメ化が控えている。
まだまだコンテンツが大きくなろうとしている。
そんなときに、やめたいという。それがどれだけ……いや。
それほどまでに、芽衣さんは……。
「おばあさんの、そばにいたいんですね。大事な」
芽衣さんが一瞬、目を大きくむく。「どうして……」と小さく、呆然とつぶやいた。
「わかりますよ」
「……そっか。神作家だもんね。文脈を読めばわかるか。すごいなぁ……」
芽衣さんの声は震えていた。ぽたぽた……と涙を流しながら、うつむく。
「ごめん……先生……。大事な時期なのに、作品よりも、おばあちゃんを優先させようとして……ごめんね……編集、失格だよね……ごめん……」
弱々しくつぶやく芽衣さん。
いつだって笑顔で、元気にあふれて、僕と作品のことをいつだって考えてくれる、彼女が。
こんなにも、弱々しい姿をさらしている。
僕は……たえられなくなって、彼女を抱きしめた。
「せん……せ?」
「大丈夫、芽衣さん。泣かないでください」
【★とても大切なお知らせ】
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タイトルは、
『【連載版】天才錬金術師は気ままに旅する~世界最高の元宮廷錬金術師はポーション技術の衰退した未来に目覚め、無自覚に人助けをしていたら、いつの間にか聖女さま扱いされていた件』
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