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淡空リミット  作者: 夜霞 ナツメ
8/11

◇◇

「説明、長くなるけど、いい?」

ダメという選択肢は彼女の中には無いみたいだ。

「出来れば20:00までに家に帰りたいんですけど」

バカ正直に答えた僕は、きっと知りたかったんだと思う。


この世に主人公なんてものが、存在するのか。


「よし、充分っ!」

風を吹かせた(真相は不明)時の、真剣な表情の彼女とは裏腹に、今は最初に会った時の、何も考えていなさそうな、パッパラパーな笑顔を浮かべている。

「君!!!レモネードにする?サイダーにする?オレンジジュースにする!?」

、やっぱり、主人公なんていないかもしれない。

「あっ、コーラもあるー!」

半分呆れ、半分怯え、半分乞うような、1と2分の1の心で僕はそう思った。

「カフェオレで」

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