◇◇
〜10分後〜
「それでさ〜???その上司が本っ当に最悪でね!?なんか、」
文の羅列をしていると、日が暮れて朝になってしまいそうなので、この10分で何が起きたか、箇条書きで分かりやすく説明することにする。
・テントに入った途端、自己紹介を始める彼女
・名前 羽乃紅音
・年齢 永遠のハタチ(多分20歳)
・職業 フリーター(本人曰く主人公になるための旅らしい、頭を打ったようだ)
・特別な力を持っている らしい
・彼女の能力は世界を救う(ちょっと盛った) らしい
・愚痴を吐ける相手がいない らしい ◁イマココ
「ちょっと聞いてる!?」
「聞いてますよ、上司のせいで会社クビになって家賃払えなくなったから大急ぎでテント買ったって」
字面は理解している。僕の脳みそは、そんな茨道を受け入れようとすらしていないけど。
「、うぬ」
悪態をつきたかった彼女の計画は、失敗に終わったようだ。
「じゃあ〜次!!次は君のことを教えて!」
「は?」
は?じゃなくて!と言いたいような目をしているので、もう一度言ってやることにする。
「は??」
「は??じゃなくて!!」
なんとまあご丁寧に、僕に対応して感嘆符を付け加えてくるような人だとは思わなかった。
そして思った、一般常識が通用すると思った僕が馬鹿だった。
一般人以外を相手にするのは初めてだ。
とりあえず無言無表情という体制をとる。
「、いやなんでこう最近の子は、、まぁいっか。」
頭を抱える羽乃紅音。さん?
なんだろう、感想としては、うん、すごく疲れる。