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次の日の学食、水原藍が意味の分からないことを言い始めた。
「ねえ、ある日突然、魔法みたいに人がいなくなるいなくなるって言われたら、、信じる?」
いつもぶっ飛んだことを言う美里だけど、それ以上にぶっ飛んだのは、青木和也の口の中のコーラだった。
「ゲホッ、そんなこと、あるか?」
うっひゃっひゃっひゃ、と笑う和也。顔はいいのだ。顔は。
「ちょっと~カズ汚いよ~!!」
笑いながら木目のテーブルを拭く瑠璃華那。黒髪のロングヘアは彼氏の好みらしく、私は茶髪にしたいんだけどな~といつも惚気ている。本人の中ではあくまで真剣な悩みらしいが。
基本昼はこの四人でいることが多く、僕が頼むのはカレーであることが多い。そして、藍が謎の話題を提供することも、カズが飲み物をスプラッシュすることも多い。かなり困っている。
「最近ね、知り合いが次から次へと幸せになっていくの。」
藍はまるで宝の地図をもらった子どもみたいに目を輝かせている。お団子頭が一番似合うのはたぶん彼女だ。勿論、妹的な意味で。
「最初のほうはすっごい落ち込んでる子もいるんだけど、数カ月もするとみんな口をそろえて、やっぱりお願いしてよかったっていうんだよね。」
「お願い?お願いって、、




