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、くそ、自分の希少価値くらい知りたかった、、、100000人に一人、いや1000000人に一人とかならよかったのに。まあいい。
「どうでもいいっでしょそんなの!」
笑う彼女、やっぱよくない。どうでもって、僕はそのどうでもいいことのために生きてる人間だ。
「じゃあ一つ!さっきの風はなんです!」
「魔法」
「、、他には?使える魔法」
「うーん、」と考える人風の体制をとっている。絶対必要ないカットだなこれ。
「えっと、風は飛ぶために操り方知らなきゃだから、できるのが魔法界の一般常識。あとはさっき言った通り。人と人とを引き離す。のみ」
なるほど、魔女業界も大変なんだな。
「で、だ。そんなに、特別になりたいか?」
ふふん、と見透かしたような瞳、まああんなに質問攻めにしたんだから無理もないか。
「なれるよ今なら、私の助手は世界に一人もいない。ど?月給5万円でやらない?」
わりと現実的な値段だな。別に生活には困ってない。でも、
その時、テントに人影が移った。
「おっと、お客さんだ、ちょっと待って」
待って?客がきたら帰らせるのが普通では?
「僕、どうしたら?」
「ここにいていいよ。あ、そうだ、研修期間にしよう。どうやって進めるか、見てて。」
そうだこの人普通じゃなかった。ついでに人じゃなかった。
「いいんですか?」
「やる気満々だね~ちょうど月始まりだし今月からお給料あげちゃう!」
「っ!いやまだやるって決めたわけじゃ、、」
嘘だ、めちゃくちゃ興味ある。しかもこの人にはそれがバレている。
「よろしくっ」
下手なウィンクを飛ばし、テントの出入口へと急いでいる。
僕はとうとう、引き返せないところまで来てしまったようだ。




