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環境整備と平和な一日

三日坊主にならないようにするつもりです。

 基地の宿舎で風呂に入り、個室に鎮座しているベットで寝た後の体は今にも舞い上がりそうな程軽かった。

食事は2階にある食堂で久しぶりにしっかりとした和食を食べ、少しした後に非番の20人と話し合いを始めた。


「昨日、優子達と話し合って、衛星通信設備を整備することにした。

我々にとって情報と通信の確保は死活問題であり、今回のことは大変に喜ばしいはずだ。」


僕が言うと彼らは拍手をしてくれた。

拍手をしてくれる程隊員達の心身に余裕が出来て僕はこの基地を召喚しておいて良かったと思った。

昨日まで薄汚れていた隊員達も今は綺麗な身なりで椅子に座っている。


「次に今後の部隊管理の為に、隊員、武器等、装備品に番号を付与する。

それと戦闘に備えてそれぞれアルファベット2文字でコードネームを決めてほしい。」


そして僕はスマホを操作し、まず最初に通信衛星を召喚する。

通信衛星はStarlink衛星のKa/Kuバンドを用いた低軌道衛星を宇宙空間に2800基召喚する。

今の段階で私達が使うにはあまりにオーバースペック過ぎるが将来性を考えてこれだけの衛星を召喚した。

衛星は定額制プレミアムコースの軌道上に召喚する場合、恩恵を全く受けない為、衛星が一個当たり227㎏なのに免除されない。

本当は免除されて欲しかったなと思いながら次に偵察用の地球観測衛星を召喚する。

偵察用と言っても軍事用の物ではなく民間のSkysat衛星を24基召喚することにした。

これでリアルタイムとはいかなくてもかなりの高頻度で衛星から偵察することが可能になった。

これで合わせて638.240tが消えた。

今はこのスマホが全ての情報を受信してくれるが近い内に通信局を設置したいと思っている。

このスマホは召喚した物を自動で管理してくれるらしくユーザーが希望すればそのようにしてくれる正に助手のような感じである。

そんなことを頭の片隅で思いながら僕は


「全て完了した。

これから個人に番号を振り分ける。」


僕は昨日の夜に召喚しておいたカードをそれぞれに渡す。

番号の割り振りはこの前の人物紹介で書いてある順番通りだ。

番号は7桁で今後部隊によって数字の前にアルファベットをつけるつもりでいる。

それを配り終えると僕は手を叩いて


「解散。」


と言い、自室に戻って出撃準備をすることにした。


ベットと机とロッカーがあるだけの個室を出た私は同じ階である2階にある廊下のロッカーで装備を身につけている。

スマホの機能で既に召喚した物にも番号が刻めるので、その変更が既になされていた。

自分が装備するM9ベレッタにはHG00005とスライドの両脇に刻印されていて、M4にも銃身にAC00001という風に刻印がされている。

武器には取り敢えず5桁の番号とその前に銃の種類等の頭文字2つをつけている。

例としてHG(Hand Gun)、AC(Assault Carbine)という感じに。

僕は鉄製の階段を降りて下に止めてある一両のJLTV UTLに乗り込む。これにはナンバープレートを付ける位置に鉄板が追加されてそこに番号が記されている。

僕達はその車両の荷台に乗り込む。

今回GPではなくUTLにしているのは脅威が存在する可能性が低いからである。

それに燃料の削減というのも目的の一つとしてあった。


塀で囲ってある敷地の門から出るとすぐに村に到着する。

村の子供たちがすぐに駆け寄ってくる。

僕はその子供たちの明るい笑顔に何か癒されるものがあると感じていた。

少ししてオオカミである彼が村に入ってきた。

前は村人達がすぐに彼を見るなり家の中にこもって怯えていたが今では彼らが慣れたのか怯える人は誰も見当たらなかった。

子供たちはそれどころか彼に近づき、白い毛をもふもふしている。

彼はまんざらでもない顔をしているが、子供の親たちはその時だけは本当に申し訳なさそうに子供たちを抱えて離れてしまう。

そんな感じで親しまれている彼から毎度朝の報告を受ける。


「主様、今日は領主であった五十嵐将軍の本拠地の偵察結果を報告させて頂きます。

2日前の爆裂魔法の音についての噂がそっちにも広まり始めました。

それにあの将軍の軍勢があれから忽然と消えたということで次第に人々にも認知され始めています。

中には天罰ではないかという者まで現れる始末で混乱は広がりを見せています。」

「報告感謝する。

それでいつ頃占領するのが良いか。」

「すでに憶測が憶測を呼ぶ混乱が始まっております。

一部の家臣が私兵を用意し、侍らが厳戒態勢を引き始めています。

ですので旧勢力を一掃する前提での突入であれば今ほど最適な時期は無いでしょう。」

「分かった。こちらで検討してまた何かあれば報告してくれ。

それと最後にどんな名前が良い?」

「そうですね。

ポチとか良いかなと思っております。

ここまで人間に親しまれているのは初めてですし、私も少しはかわいい名前が欲しいとおもいまして。」

「確かに良いかもな。

これからは私もポチと呼ぶ。」

「分かりました主様。」


と彼は言って再び森の中に消えていった。


僕達は今度はドローンを飛ばして周囲の偵察を行う。

相変わらず異常なしどころか最近は人っ子一人見当たらなくなっている。

何も無いというのも平和で良いなと思いながら空を少し眺めていた。

空は大分曇っていていつ雨が降っていてもおかしくないなと思いながら未だに村に残してある傷病者用のテントの周辺を回っている。

この中にはまだあの襲撃者5人組がベットで横たわっている。

仲間が今経過観察と尋問を行っているところだろう。

何やら会話している声が中から聞こえるがまあ怒鳴り声ではないから多分荒事は起こらないだろうと思っている。

少ししてテントの中から白衣に身を包んだ隊員が出てきて、横に停めてあったJLTV GPに乗り込んだ。

そしてエンジンをかけ、基地に戻っていった。

僕はこんな日がずっと続けば良いのになと思いながら退屈な警備任務をこなしていた。





明日書くのにまとめて載せます。

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