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佐藤殿、安芸基地へご帰還

 今日は4月10日、僕は今、P-3Cオライオンの機内だ。

火山灰が4月6日に止み、復旧した基地に向けて飛行をしている。

約一か月、基地は機能不全に陥り、数々の災難を受け、我々は決して少なくない被害を受けた。

直近では空母が炎上し、50名の乗組員が負傷、10名が死亡した。

そして広州では大陸に潜入中だった商人が捕えられ、作戦が降り出しに戻ってしまった。

幸いにもハワイでは平穏だったようで、問題なかったようだ。

現地に派遣していたアキル公共事業団の隊員は基地の造営や復興住宅の建設を完璧に行ってくれたようで、未舗装滑走路に対応している機体と、吃水が10m以下の船であれば停泊できるようになっているらしい。


 これから僕は部隊の再編を行わなければならない。

今回の災害で浮き彫りになった問題として、飛行物体の運用の柔軟性が挙げられる。

特にJAS-39E,F型は特に空母運用に対応していなかった為に、不時着せざるおえない状況になってしまった。

又、与那国基地の狭さも問題となっている。

与那国基地は滑走路が一本しかなく、長さはおよそ2000m、いずれの値も不十分であった。

しかし、与那国島の面積の問題で基地の拡張は困難を極める為、新たな拠点が必要となっている。


 このような問題を解決する為、そして整備性を向上させる為に、戦闘機の機種を統一することにした。

機種はF/A-18E,Fである。

又、早期警戒機としてE-2Dで統一することとなった。

今回の件で現状保有基地が3箇所しかないという脆弱性を補うにはやはりこれを空母運用に適した機体を使うべきだと考えられたからだ。

その為、運用していたE-767、JAS-39E,Fは香川にある航空基地に向かい、そこで保管されることになった。

と言っても先日の事故とそれに緊急着陸で半分が使い物にならなくなってしまっているが。

 そして海上戦力でも問題が起こっていた。

それはインディペンデンス級の戦闘能力の低さである。

インディペンデンス級は固定武装が57㎜砲だけでVLSは備わっておらず、簡略化されたソナー、耐空レーダーしかない。

その為、怪物がうようよしているこの世界では戦闘能力が不十分である。

後継艦としてアーレイバーグ級駆逐艦が選ばれた。

これにより、艦の保有数は大きく減少するものの、単艦での戦闘能力が飛躍的に上がっている為、結果として良いのではないかと考える。

これには最大召喚人数が累計54万人を超えたことも関係しているが。

そして沿岸警備に用いられているはやぶさ型はそのまま配備が継続されることとなった。

以外にも一番戦果を挙げているのははやぶさ型なのである。


基地到着後に行うことを考えていると機体は長い海上での遊覧飛行を終えて安芸基地に着陸した。

P-3Cは速度が遅いものの、滞空時間が長い為、P-8Aから順次置き換えることとした。

先祖返りのような感じがするが、ここは異世界なので現代の運用思想とそぐわずに先祖返りすることはこれからもあるかもしれない。

そして機体が駐機場までタキシングをし、エンジンを切るとタラップが降りた。


「ご搭乗お疲れ様です。

安芸基地に到着しました。

又のご利用お待ちしております。」

「ありがとう。

また機会があったら利用させてもらうよ。」


と僕はそう言って彼らとお別れした。

あちらこちらに火山灰の山が出来ているのを見てこの基地がどんなに苦しんだかが良く分かった。

隊員達が高圧洗浄機で壁面を掃除し、火山灰を懸命に取り除いていた。

実に大変そうだった。

僕は一か月ぶりに本部の指令室に戻ると隊員達が敬礼で迎えてくれた。

彼らの凛々しい姿を見て僕の眼がしらが熱くなってしまった。

僕はその帰って来れたという喜びを噛みしめながら隊員達と握手をし、軽く会話をした。


「お疲れ様。

帰ってきました。

ここを守ってくれてありがとう。」

「いえ、とんでもないです。

本当に帰って来て頂いて嬉しいです。」


と女性隊員が涙ながらにそう言ってくれた。

僕は本当に感謝しているときと言うのは『ありがとう』という言葉しか出ないだなと他の隊員達と話していても感じていた。


 僕はその後、一か月間で山のようになった被害報告を確認しながら、復興への道筋を心の中で描いていた。

そして夜食ともいえる時間に夕食を取り、僕はベットに就くことにした。


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