作戦開始
3月6日夜、作戦が開始された。
作戦の内容はこうだ。
まずUH-60Rヘリコプター2機で地球であれば九州、博多にいる対象を拉致する。
殺害でも良いが、身柄の確保は必須だ。
この深夜の作戦は沿岸にいるインディペンデンス級、type26、ハワイから帰投していたファン・カルロス一世級等の艦艇がいつでも支援可能なように待機している。
そして早朝の同時爆撃はA-10C48機が行う。
空中給油機はJAS-39の護衛がそれぞれ2機ずつついて6機が爆撃開始の直前に離陸し、空中待機をする。
又、AWACSも上空に上がり、管制を行う。
かなりの航空戦力を割く為に作戦失敗は出来ない。
僕は指令室で緊張しながら立っていた。
午前0:00、精鋭がヘリで降下を始めた。
隊員のヘルメットについているカメラで様子を見る、作戦はほとんど音を立てず、手信号だけで作戦を遂行している。
現地に送り込んでいるスパイから対象の位置は手に入れているため、作戦は迅速に進んだ。
そして情報通りに進み、寝室のような場所に入ると対象を見つけたようだ。
しかし、鉄砲という厄介な物が付いて。
対象の周りには鉄砲を構えている護衛が6人いる。
奴らは発砲を継続している。
こっちには弾を受けたのが一人いる。
防弾チョッキが防いでくれたらしいがかなり痛がっている様子らしい。
そして爆撃迄時間が無い。
彼らは追い詰められていた。
背後からは守備兵らしき集団が接近してきている。
彼らが追い詰められている中、沿岸にいるLPD-1からMV-22が二機、AH-64Dが二機が離陸をし、地上で展開中の部隊を支援しようと飛行している。
しばらくして支援部隊が到着し、MV-22から合わせて60人の隊員が展開した。
それだけでなく、AH-64Dが周辺に対してチェーンガンやハイドラ70などを使用して攻撃をしている為、形勢がかなり好転した。
支援によって対象の確保に注力できるようになった精鋭たちは一気にM4で護衛を全滅させて対象を確保しようとしたその時、対象が何らかの力で建物にある物を飛ばして来た。
まるでスターウォーズのフォースの力のような感じである。
僕はやはりファンタジーと戦っているんだということを思い知らされた。
その攻撃で何人も負傷したが、勇気のある隊員が困難な状況の中で拳銃を発砲し、対象を射殺した。
遺体を引き摺りながら脱出を図ろうとすると今度は建物が崩壊を始めた。
高層ビルが崩れてくるのとは違って生き残れる可能性は十分あるのだが、何人も負傷している為にいつものようには動けない。
精鋭たちが対象を射殺したことが報告されると支援で現場にいる他の隊員が彼らを援護した。
彼らは九死に一生を得て上空待機していたMV-22に乗り込んだ。
隊員のカメラ越しに映る隊員達の顔は暗かった。
その後、援護していた隊員達もヘリに乗り込み撤退した。
爆撃が始まったのはその後すぐだった。
時間は午前4:00を回っており、対象の確保には4時間以上を費やしたことになる。
幸い重症者はいなかったものの作戦立案の時点で敵を甘く見ていたということが判明した。
今後は気を付けなければならない。
全国を爆撃したA-10Cは東北を爆撃した一部が帰ってくるのに時間がかかるものの他は次々と帰ってきた。
作戦は取り合えず成功と見ていいだろう。
因みにポイントは約50000程増えた。
レベルアップ早々に次のレベルまでに必要なポイントの10%弱を手に入れられたので良かっただろう。
物事が思い通りいくはずがない。
これはほとんどのことに対して言えるだろう。
丁度12:00を時計の長針が指そうとした時、地震が起こった。
かなり揺れた。
指令室は一時静寂に包まれるが、突然緊急通信が来た。
「こちらはやぶさ型PG-5です。
本部応答願います。」
「こちら本部。
どうぞ。」
「九州側で巨大な噴煙を確認しました。」
「了解。
撤退の必要があればすぐに撤退してくれ。」
「了解。」
同じような内容の通信が九州と四国の間で警備行動を取っていた艦艇から続々と報告される。
スクランブルで発進したJAS-39は付近の状況を確認し、映像を送ってくる。
そこには巨大な噴煙を上げ、同時にマグマを噴出させている山が確認出来る。
戦闘機が火山灰を吸うとエンジンが損傷してしまう可能性があるので決して近づけないが、火山灰がこっちに降ることは噴火の規模からして明白だった。
報告を受けてから1時間後、火山灰が降り始めた。これによって安芸基地は作戦機の運用能力を喪失した。
今頼りになるのはハワイに駐屯している部隊と与那国島の基地にいる人間だけとなった。
既に四国に分散する別の基地でも火山灰が降っているらしく、状況は最悪だった。
しかし死者がいないのは不幸中の幸いであり、送電設備が地中にある為か停電なども起きていないようだった。
しかし、上下水道の話は別で、火山灰に大きく影響されやすい為、現在は動いていてもいつ止まるか分からないとのことだった。
僕は最低限の部隊を任務に就け、他の部隊やアキル公共事業団の人員を全て災害派遣に回した。
隊員達が雪掻きならぬ灰掻きを必死で行うこととなった。
光学衛星からは噴煙が広範囲を覆っているために情報収集の役には立っていなかった。
本拠地は完全に機能を失った




