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レベルアップ

 今日は2年2月28日、2月最終日である。

今日も四国基地安芸司令部はは寒い!

暖房が効いている建物内にいるからか温度感覚が狂ってしまったようだ。

今日も安芸港にいるインディペンデンス級が大陸に対外諜報機関の諜報員を送り込む。

最近は大陸で成功した商人がいて彼が貴族と取り入っているという報告が入っている。

正直こっちが売っているものは地球世界での価格からしたらボッタくり以外の何物でもないが、まあこちらの技術の証として良いだろう。

同時にその商人が支援している冒険者という設定にしている諜報員が基地の場所として有用な場所を現在選定中だ。

大陸に基地を造る場合、陸路での輸送が第一段階となる為にその商人により成功して貰わないと完全に怪しまれてしまう。

時期を見計らって我々の船を貿易船として進入させようと思っている。


それで今回、インディペンデンス級の計画は与那国島まで取り敢えず南進して、そこから与那国に駐留しているDDG-4に乗ってインドシナ半島沿岸まで移動、その後、諜報員を上陸させる。

広州で活動中の例の商人からの情報を元に計画を遂行することになっている。

今回は冒険者として潜入することになっている。


今日の予定は我々を賊軍に指定した九州のよく分かんない権力集団をどうするかという話し合いをすることである。

幾度となく忍者みたいな恰好をした全身黒の奴が上陸を試みたり、瀬戸内海を使って大規模な上陸を試みたりという感じであれだけの犠牲を出しているにも関わらずむしろその傾向が顕著になっている。


流石に対処が面倒そろそろ決定的な一撃を与えて敵を沈黙させるというのが目的だ。


「何なら九州に強襲上陸するのはどうですか。」

「確かに上陸自体は容易ではありますが、どう頑張っても犠牲は避けられません。

それに九州全土を制圧する兵力は流石に出せません。」

「全国の城という城を全て破壊するとかどうです。」

「それで決定的な打撃になるでしょうか。」

「それならそれをした上でその九州のうるさいのを殺害して民衆の前に晒し首にするのはどうでしょうか。」

「それをすると敵が自暴自棄になって肉弾突撃をしてくるかもしれません。

そんなことになったらこちらとしても犠牲を避けられませんよ。」

「いえ、むしろ好都合かもしれません。

こちらとしてはそうなった時点で空爆をすれば良いのですから。」

「ではその代わりに隊員を見捨てると!」

「いえ、今回は精鋭をヘリボーンで送り込み、その首領を拉致、そして全国の城を空爆した後、殺害した首領を本州の日本海側最大の町に落とすのです。」

「それで爆撃目標はおよそ何か所ですか。」

「爆撃目標は約60です。

使用するのは500pound JDAMです。

爆撃は全国一斉に行うのが良いと考えています。

使用機材はA-10を24機、空中給油機KC-46Aを2機、それとAWACS E-767を2機ほど投入するのが妥当だと考えます。」

「どうです。

佐藤殿、可能ですか。」

「僕が機材を新規に用意することは可能ですが、運用に関してはそちらに聞いて貰いたいです。」

「それではジュリア殿、可能ですか。」

「ええ、可能ですよ。

作戦決行日はいつにしますか?」

「部隊投入は1週間後の3月6日深夜、爆撃は3月7日の日中が良いかと。」

「分かりました。それで早急に計画を練ります。

佐藤殿、KC-46AとE-767を用意しておいてください。」

「了解しました。」


司令部で行われた会議はこれでお開きとなった。

僕は早速、安芸飛行場に向かい、いつも通りの操作をしてKC-46AとE-767を召喚する。

説明によると同じ型の旅客機がベースとなっているらしい。

その為かかなり似ている。

KC-46Aにはかなり長い尻尾がついていて、E-767はでかい円盤を乗っけているという大きな差異があるが。


召喚が終わって機体をまじまじと見学して飽きて来た頃、スマホに通知が来た。

”レベルが19になりました。”

と。

僕はそれを確認すると司令部に戻った。

自分の部屋(執務室)には部隊拡張の打診のメールが大量に来ていた。

それを今回一気に解決できる。

本当に有難い。


僕はジュリアや優子、一ノ瀬等のリーダーを呼んで話し合いをすることになった。

アキル公共事業団は現在、過去に行っていた給水作業等を止めて専らインフラの管理等に回っている。その為、過去に召喚した給水車等はほぼお役御免の状態でこれと言って目覚ましいことはしていない。

日陰者である。

それに対してホワイトウルフ、対外諜報機関は現在数々の活躍をしている。

優子はそれを結構気にしているそうだ。


「それで今日集まったのはどんな理由なの?」

優子が一番最初に聞いてきた。

「レベルが上がって新たに27万人の人員を召喚可能になったので、どう配分しますかという話をしたいと思い呼びました。」

「そういうことですか。

それならアキル公共事業団には10万人の人員補給をお願いします。」

「いえ、ホワイトウルフは20万人の増員をお願いします。」

「今の要求は無理です。」

「そもそもなんでホワイトウルフに20万人も必要なの。」

「今後の海外基地展開に必要だからですよ!」

「なんなら今まで基地の管理をしてきたのはどっちよ!

こっちでしょ!」

「戦いにおいて数は基本です。

だから不測の事態に備えて隊員が欲しいんです。」

「何なら言っておきますとこの世界でそんなに必要ですかね。

全く大都市一つ分の人口を使ってあなたはいったい何をするつもりですか。

ばからしい。」


また喧嘩が始まった。

いつもは仲が良いのに何でこういう時はそうなるんだろう。

困ったものだ。


「言い争いはそこまで。

僕は喧嘩を見る為に呼んだんじゃないのに。」

「…申し訳ない。」

「ごめんなさい。」

「それで僕の意見だが、流石にホワイトウルフは枠を持っていきすぎだ。

8か月前までだったら認可出来たが現状、基地の管理や設営等は全てアキル公共事業団が行っている。

そう考えるとホワイトウルフは純粋な戦闘組織であり、補給の面から考えても限られたリソースを戦闘だけに持っていくのは危険すぎる。」

「…分かりました。」

「それでだが、現状組織の役割が曖昧になってきている。

そこで補給、基地警備、基地管理をアキル公共事業団に一任するのが良いのでは無いかと考える。

その代わりとしてホワイトウルフは陸海空の戦力向上に特化すれば良いのではないか?」

「私は賛成です。」


優子が賛成した。


「海上と陸上は棲み分けが簡単そうですが、空中給油機の扱いはどうするつもりですか。

アキル公共事業団は保有しておりませんし。」

「それはアキル公共事業団に移管します。

それでヘリに関しては陸上配備の輸送ヘリを除き、全てホワイトウルフが保有することになります。」

「分かりました。

それであれば私は賛成します。」

「それで何万人必要ですか?」

「ホワイトウルフは輸送任務が全て外れるということで10万人です。」

「アキル公共事業団は任務が増える為、15万人お願いします。」

「対外諜報機関は分析官拡充の為、2万人を追加でお願いします。」

「分かりました。これで折り合いが付きましたのでそのように配分します。

問題ありませんか。」

「ありません。」

「ではありがとうございました。」


ということで新規召喚分の部隊配置が決定した。

これで話し合いはひと段落した。

この後は何をしようか。

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