絶対暴力領域
「ここまで、移動したけどお前と戦うのは時間の無駄だ。 ささっと降伏してくれないか」
ベルトワルダは私にむかって言った。
「私はボトムサンズのリーダーミカよ、戦わずに逃げるなんて出来るわけないでしょ。 あなたが私達と和解してくれるなら話は別だけどね」
「和解してもいいけど、あんたの実力を測るのが先かな。 さぁかかってきな」
「私あんたみたいな女本当に嫌いよ、自信たっぷりって所が特にね!」
私は落ちてた瓦礫を持ち上げてベトルワルダに投げつけた。 ベルトワルダは瓦礫を空中で止めたかと思うと瓦礫はチリになって崩れていった。
「私の能力はこの世の全てのものを操る能力、私が最強と言われてるのはそういう事よ。 使用範囲はあるけどその範囲内に入った物なら全て操れる。 気体すらね」
「なるほど、それは最強ね。 丁寧に能力を教えてくれるあたり余裕なのね」
「そりゃね、にしてもあなたとは友達になれそう。 私と同じ自分が1番だと思ってる所も似てるし、お互い美人だしね。 私美しくて強いものが好きなの」
「あんた王女だからそういう所自覚なしに言ってるの? 恥ずかしくないわけ?」
「恥ずかしい? 恥ずかしいわけないでしょ。 この世の物全部私のために存在しているんだから」
「あー恥ずかし、恥ずかしいそんな事言ってると後で後悔するよ?」
「もう、良いから早くかかってきなさいよ」
「もちろん!」
私は路地の脇の建物の柱を殴りつけ破壊すると建物はベルトワルダの方に向かって倒れ始めた。 私は柱を破壊した時に出た残骸を他の建物の柱に投げつける。 あらかじめ倒れやすいように他の柱を壊しておいた建物は残骸が柱にぶつかると大きな音を立て重なり合うようにベルトワルダに覆い被さっていった。 すぐにベルトワルダの能力によって建物は木っ端微塵に周りに吹き飛んでいく。
私は瓦礫に隠れながらベルトワルダとの距離を詰めていく。 死角から接近すれば攻撃も通るはず。
「中々良い攻撃ね。 でも私には通じない」
空中の瓦礫を操作されて邪魔になりベルトワルダに近づく事すら出来ない。
「無理よ、本気の私に近づくのは私から半径20mは私の許可無しでは生存も許されない絶対領域」
「近づけさえすれば勝機はあるのに」
「勝機? あるわけないでしょ? 単純にフィジカルの差があるわ。 私はありとあらゆる事を完璧にこなせるの勿論戦闘面でもね。 この能力が無くてもあなたには負けないよ。 試しに1発私の事殴ってみれば」
ベルトワルダはそう言うと私に歩いて近づいてきて私の拳を叩き込める距離まできた。
「ほら、ここに打ってきなさい」
ベルトワルダはその傷一つも無い綺麗な頬を私に差し出した。 私は力の全てを込めベルトワルダを殴った。
「痛いけど後100発ぐらい殴られないと私は倒せないかもね」
「じゃあ100発殴ってやる」
「調子に乗るなよ、バカ女が」
ベルトワルダは圧がこもった目でこちらを見る。
「あれ? 私の力が出ない。 しかも何この鎖」
「あんたに絶対領域があるように、私にはこの2mの鎖でお互いを縛り、のちらかが倒れるか、降参するまで殴り合いでしか決着をつけられない空間を作る事が出来る。 これが私の能力、絶対暴力領域。 この鎖に捕まった時点でベルトワルダあなたの負けよ」
「そう。 このお互いの腕に巻かれた鎖でお互いの魔力をぐちゃぐちゃに行き来させてかき混ぜて、能力を使わせないってわけね。 良いよ殴り合い。 付き合ってあげる」