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天使



 俺はどうなったんだ。 今生きてるのか死んでるのか? 体に力は入る、目も段々見えるようになってきた。


 でもここはどう考えて下級街じゃない。 上を向くと光がはるか上空から光っているのが分かる。 


 下はただただ果てしない闇か広がっている。 光と闇のちょうど中間辺りに地面などないが俺はなぜか立っている。



 「ここが死後の世界なのか?」


 「大体は合っているな」



 何も無かったはずの空間から男か女判別出来ない綺麗な顔立ちの人が現れた。真っ白な服をきていて、体から足まで1枚の生地になっている。 肩まで銀色の髪が伸びているがどちらなのか分からない。



 「誰ですか?」


 「私は天使のアロイです」



 そういうとアロイさんは後ろを振り向いて服の裏にある翼の模様を見せた。



 「天使? じゃあ一応天国には行けたって事なんですね!」


 「いや、ここは天国でも地獄でも無いよ。   そもそも天国と地獄なんて無いし、普通は死んだらすぐに別の生物になります」


 「俺はどんな生き物に変わるんですか?」


 「まぁ、少し聞いてよ。 ここは人間の魂を管理する場所、メソンです。 それでここでは人が死んだ後はすぐに良い魂と悪い魂に分けられるの。


 生前に何を行ったかなどで分けられるみたいだけどそこら辺はよくわかんない。


 それでその魂たちは一旦ここメソンに留まってから、上からは良い魂が下からは悪い魂がそれぞれ通っていって生まれ変わる」


 「その上と下では何が違うんですか?」


 「簡潔にいうと生き返れる生き物の種類と能力が変わってくるの。


 上の事を私達はライズと呼んでるんだけど、ライズから生まれ変わる魂は死んだそのままの魂の大きさ形で転生出来きます。


 元々は死んだ魂の大きさは人間なので大体は人間に生まれ変わって。 下、コライスには当分あなたは関わらないから、また今度説明するって事で」


 「当分って俺ここで何かするんですか?」


 「もちろん! あなたの一族と結んだ契約により、生きてる時に終わりの鎌を使って死んだ魂はメソンで働く事となっています」


 「働く? 具体的には何を?」


 「そりゃもちろん殺しですよ、あなた達の一族は殺ししか出来ないじゃんか」


 「確かに、ここ何代かは言葉すら教えられずに殺しの仕方だけを学び、標的を決められたらすぐに鎌を振り死ぬという状態だったみたいです」


 「やっぱり、本当勘弁して欲しいよ、この世界に来てから言葉やら常識を教えるこちらの身にもなって欲しいな」


 「何かすみません」


 「じゃあ早速殺しをお願いしたいんだけど、おお! あなたが死んだ街に居る人が殺害対象みたいだね!」


 「誰ですか!」



 その時背中を何かで強く引っ張られる力を感じた。 後ろを振り向くと光を放った手がそこにはあった。 手を1度体から離れたかと思うと一気に俺の体を貫通した。 


 その手の中には心臓が握られており、心臓に向かってものすごい光を送り込んでいる。 目も開けない眩しさの中アロイさんの言葉が聞こえた。



 「一回お別れみたいだね。 すぐ会えると思うけど」



 眩しさが収まり目を開くと、そこは家のベッド上だった。




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