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劣勢

18話 劣勢



 「おお、やっと起きたか!」



 アレクさんは俺の方に振り向きそう言った。



 「じゃあ俺らはネルと合流して前線を噴水広場まで押し返しに行くからお前はこの広場をどうにか制圧してくれ」


 「ちょっと! まだ何がどうなったかわかってないんですけど!」


 「私が説明するわ! 敵を倒しながら聞いて!」



 俺とセピアは背中あわせになって敵を倒しながらセピアの言葉に耳を傾ける。



「サナトが倒れた後、アレクさんとアイラさんはミカさんの指示でサナトの意識が戻るまでサナトの守りを命じられていたんだけどそのせいでリーダーが1人になったミカさんの部隊は噴水広場から後退せざるを得なくて、一気にこの広場の入り口まで押し込まれてしまったの」


 「なんでミカさんは作戦を崩してまで俺を?」


 「わからないよ、直接聞けば? どのみち助けに行かないといけないとだし」


 「そうだね、この大軍を倒しながら広場の出口に向かうのは厳しいけどやるしかない」



 俺は鎌を出して、砂の刃は出さずに棒の状態で敵を殴り倒していく。


 セピアは格闘術で敵を殴り倒す、荒々しい戦い方で人を掻き分けて入り口に向かって行った。


 俺もそれを追っていき広場の入り口に着いた。 そこには兵士達を押し留める為にボトムサンズの兵士達に必死で指示を送るミカさんの姿があった。


 俺とセピアがネルさんに声をかける前にアレクさんとアイラさんが先に着いてすぐに兵士を押し返す為に戦いに参加した。



 「アレクにアイラ! よく来てくれたね、サナトはもう大丈夫なの?」


 「あいつならさっき意識を取り戻したから、そこら辺で多分戦ってるよ」


 「ここに居ますよ!」



 俺は人混みをかき分け、ネルさんの目の前に飛び出した。



 「サナト! 良い所に来たね、結果から言うと私達は敗北したわ。 わかってわいたけどね、今もこうしてなんとか兵士の勢いを殺しているけどそれももう後少しで限界ね」


 「じゃあこのまま負けでいいって言うの!」



 セピアが叫んだ。



 「良い訳ない。 これから私達だけで噴水広場に陣取っているキルギスを殺してそうなれば軍のトップはベルトワルダになる訳だからセピア、あなたが説得して和解に持ち込んであなたが無理ならこの作戦はやめるけど出来る?」


 「やってみせる。 もう誰にも血を流させないようにする」


 「よく言った! じゃあここは教会に居た兵士達に任せて行こう」


 「でもあの人達全然戦えるような怪我じゃなかったですよ」



 セピアが心配そうに言った。



 「そうだよ、死ぬ気なんだよ。 もうあの人達も家族を殺されて生きていても意味がないと思ってるからね。 今の私と同じ気持ちだ。 少なくとももうああいう人達を増やしちゃいけない。 キルギスを殺して和解しよう」




 俺は人を殺して和解するという矛盾をかんじながらも噴水広場へと向かった。




 


 


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